テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

語るは、うたかたの。

2009-08-18 21:44:42 | ブックス
「わわゥ!
 ネーさッ、へりこぷたーがァ、ぶんぶんッでスゥ!」

 そうなのよ、テディちゃ。
 首相さんの演説がある、というのでヘリコプターが飛びまくった
 東京・八王子から、こんにちは、ネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでスッ!」

 さあ、ぶんぶんヘリさんは去ったようですし、
 本日の御本の用意も出来ました。
 みなさま、こちらを、どうぞ~!



                ―― 喋々喃々 ――



 著者は小川糸さん、’09年2月に発行されました。
 『喋々喃々』は『ちょうちょうなんなん』と読みます。

「ひょうしのォ、ちょうちょゥはァ、ちょうちょゥちがいッ!」

 以前に御紹介しました小川さんのデビュー作品
 『食堂かたつむり』は非常に印象に残る御本でした。
 人里はなれた小さな食堂、
 森の女王のような豚のエルメスちゃん……
 2作目となるこちらの『喋々喃々』は、
 おや? 舞台は東京、ですね。

「ひるずゥ、でスかッ? 
 それともォ、みッどたうんッ??」

 いえいえ、ミッドタウンからはだいぶ歩かないと行き着けない、
 その場所は――
 谷中、という町。
 昔の趣きが生きるその一帯を、
 東京っ子は《下町》と呼んだりするのです。

 アンティークきもののお店
 『ひめまつ屋』さんは、谷中にあります。
 物語の主人公、
 栞(しおり)さんは、『ひめまつ屋』さんの若き店主。
 
 新年とともに、栞さんのもとへやって来たのは、春~♪

「むッ?
 しんねんはァ、しんしゅんッでスよゥ~!
 はるゥ、でスよゥ~!」

 あの、そっちの春ではなくて、
 つまりその、こころの春、と申しますか、
 恋愛、の方の、春、なんです。

「おおおッ! はるッ!」(←驚き!)

 月日とともに、
 ゆるゆると歩みを進める、栞さんの恋。
 その恋の行方を、
 ここでバラしちゃうのは野暮、というものですね。

 栞さんの周辺の人びと、
 そして私たち読み手も、
 静かに見守ることしかできません……。

 《恋愛》を独特なリズムで描くこの物語、
 前作『食堂かたつむり』が
 週ジャン的パワフル少年コミックとすれば、
 こちらは、
 昭和前期の古風な少女小説、でしょうか。

「ふわァ??
 しゅうかんじゃんぷゥ~?」

 いい味を出している脇役さんたちにも注目です!
 『食堂かたつむり』で小川さんのファンになった御方は、
 こちらも、ぜひ!
コメント
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