テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

謎めくお江戸の、不思議譚。

2012-02-20 23:33:30 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 あらっ? あらららっ?
 今日はちょっと暖かいんじゃありませんこと~?
 とうとう春!が来たんでしょうか~♪

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ネーさッ! だまされてはァいけませんッ!」
「ぐるる!がるがるるがるぐるー!」(→訳:虎です!温度計を見てみてー!)

 えーっと、現在の外気温は……10℃。
 意外に低いわね……ってうか、私たち、寒さに慣れて感覚がズレちゃったの?!?

「そォでス!」
「ぐるがるるる!」(←訳:カンチガイです!)

 そうですか、カンチガイですか……
 何だかガッカリしちゃったこんな時は……
 素敵な御本にパワーを分けてもらいましょう!
 本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~!

  


 
              ―― おいち不思議がたり ――


 
 著者は あさのあつこ さん、2011年12月に発行されました。
 2009年に刊行された単行本『ガールズ・ストーリー――おいち不思議がたり』を改訂・改題し、
 新たに文庫化した作品が、↑画像の御本です。
 表紙の愛らしい画を描いたのは、丹地陽子さん~♪

「きゃわゆいィ~でスねッ♪」
「がるっぐるるる!」(←訳:江戸っ娘さんだ!)

 前回記事では
 浅草仲見世・助六さんの『江戸の縁起物』を御紹介いたしましたが、
 こちらは、江戸を舞台とした《時代ミステリー》なのだそうですよ。

 おいちさんは、十六歳。
 いえ、満十六歳ではなく、
 たぶん数えで十六歳なのでしょうから、
 現代でいえば、十五歳の、女の子です。
 
 では、おいちさんは、
 蝶よ花よと育てられた十五歳のお嬢さま……?
 いえいえいえ、お嬢さま、だなんて。
 江戸広しといえど、
 箸より重いものを持ったこともない、
 正真正銘のお嬢さまは、極少数。
 
 箸よりもずっとずっと重い、《生命(いのち)》というもの。

 おいちさんが、日々抱え、
 なんとか支えようとしているのは、《生命》です。

 父である松庵さんの仕事は、
 医師。
 その父のもとに育ち、
 気付けば、おいちさん、
 父の仕事を手伝うのが毎日の務めとなっていました。

「おえどじだいィのォ、なーすさんッ、でスかァ~」
「がるぐるる!」(←訳:えらいなあ!)

 貧乏長屋の一角の、
 松庵さんを頼ってくる病人さん怪我人さんたちは、
 こちらもやっぱり、
 贅沢なんかにゃ縁のない、その日暮らしの庶民さんたち。
 病人さんたちの診療にあたる松庵さんを
 おいちさんは、少々変わった方法で手伝います。

  父さん!
  おでこから血を流している子どもが来る!

「ふァッ?
 まだァだれもォ、きてないィでスよゥ??」
「がるがるるる!」(←訳:うんそうだよね!)

 そう、まだ来ていません、だぁれも。
 ですが、おいちさんには、分かるのです。見えるのです。
 他の人には見えないものが。
 おいちさんにだけは。

 父の松庵さんは、それを
 “カン”などと呼んで、
 さして気に留めてはいませんけれども。

「それはァ、せんりがんッ?!?」
「ぐるがるる!」(←訳:透視術かも!)

 そのチカラが、
 おいちさんに語る、ヒトの世の《不思議》とは。
 暴れ、荒れゆく《不思議》を静めるために
 おいちさんが為すべきこととは……

 ミステリであり、
 また医療小説&青春小説の要素も備えたこの御本は、
 《病む》ことの意味を考えさせるエンタメ作品でもあります。
 あさのさんのファンの方々は勿論、
 え~?時代小説は読んだことないよ~という御方も、
 ぜひ一読を!
 おいちさんの可愛らしさに、惚れちゃいますよ~♪

「つづきィ、よみたいィでスゥ~!」
「ぐるがるがるるる!」(←訳:続編待ってます!)

コメント
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