テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

そこは、クマの王国?

2012-02-27 23:39:36 | ブックス
「きゃぽーッ!
 こんにちわッ、テディちゃでスゥ~!
 わほほォ~いッ♪」

 ……あの、えーと、
 こ、こんにちは、ネーさです。

「…がるるーぐるがるるー…」(←訳:…虎ですーこんにちはー…)
「らりほォ~ッ♪らりらりッ♪」

 えー、そのう、
 何故にまたテディちゃがこんなに張り切っているかと申しますと、
 どうやら今日の読書タイムに原因が――

「おほんッ!
 ごしょうかいィいたしまスゥ!
 こちらをォ、どうぞ~ッ!」

  


 
             ―― 天使のテディベア事件 ――


 
 著者はジョン・J・ラムさん、原著は2007年に、日本語版は2011年10月に発行されました。
 英原題は『THE FALSE‐HEARTED TEDDY』、
 本国アメリカで人気の、テディベアが主人公の、ではなくて、
 テディベア作家の探偵夫婦さんが主人公をつとめるミステリシリーズ第二作目が
 この御本です。

「もほほッ♪ 
 しんせきィ~しんせきィ~♪」
「がるるぐるがるる~???」(←訳:テディベア作家~???)

 テディちゃの親戚、というか、一族さんたち――テディベア。
 『テディ』なる名は、セオドア・ルースヴェルト大統領に由来する、等々
 諸説ありますけれど、
 クマ型ヌイグルミの愛称として
 地球のどこでも通用しておりますね。

 玩具としてのクマ型ヌイグルミを完成させた功績者は
 ドイツのマルガレーテ・シュタイフさん!
 そして、そのヌイグルミ『テディベア』に惚れ込み、
 世に広めたのはアメリカ人さんたち、とされています。

 そう、アメリカの方々は
 テディベアがだぁ~い好き!!

「むふァふォッ♪
 わがいちぞくはァ~にんきものッ♪」
「がる~ぐるるる?」(←訳:え~本当なのお~?)

 本当なんだから、始末に困って……いえ、おほん、
 そうなんです、テディベア愛好家の団体があり、
 専門誌なども発行されていて、
 購買層は子どもたちより、むしろ大人が主流なのです。

 ブラッドリー・ライオンさんは
 元サンフランシスコ警察の刑事さんでした。
 捜査中に受けた銃撃が原因の怪我で警察官家業を引退した今は、
 愛妻のアシュリーさんとともに、
 テディベア三昧の毎日。

 ええ、実はね、
 アシュリーさんは、テディベア作家さんなんですよ。

「うむッ! せんすがァ、よろしいィッ♪」
「がる~がるるぐるぐるぅ~」(←訳:へぇ~作り手さんかぁ~)

 さらにさらに、実は……このたび、
 ブラッドリーさん御自身も作家デビュー!

 アメリカ全土やカナダから
 百名を超えるテディベア作家さんたちが集まる《ハーベア・エキスポ》にて、
 自作のベアを初めてお披露目&出品することとなりました♪
 ブラッドリーさん渾身の作の、クマちゃんは……
 『ダーティベアリー』!

「だーてィ??」
「がるるー?」(←訳:ベアリー?)

 サンフランシスコでいちばん有名な警官さんといったら、
 『ダーティハリー』でしょう、もちろん!
 ブラッドリーさんはハリーに敬意を表し、
 ツィードのジャケットにサングラス、
 SFPDの金色の七点星形バッジ、
 革製ホルスターまで身に着けたテディベアを完成させていたのでした。
 はたして、審査員さんたちの評価は?
 新人テディベア作家として
 認めてもらえるだろうか……?

 が、事件です!
 《ハーベア・エキスポ》主催の朝食会で、事件が!

「んもうッ!
 たのしィおまつりがァ、だいなしィッ!」
「がる!」(←訳:だね!)

 生涯刑事気分?なブラッドリーさん、
 密かに捜査を始めます。
 とはいえ、なにせ堂々とクリント・イーストウッドさん風ベアを
 作ってしまう御方です。
 その言動に滲むユーモア、
 常にダジャレを忘れない心に、
 読み手はどうしたって笑っちゃうのです。
 
 『ダーティハリー』をはじめ、
 様々な映画からの引用、
 文学作品からひねり出したシャレやパロディ、
 韻を踏んだり、
 脇役さんたちとのやりとりも、まるで漫才。

「おじさんッ!もっとォ、まじめにィ~!」
「がるぐる……ぐるるる?」(←訳:真面目は……ムリかも?)

 コージーミステリを思わせる表紙画ですが、
 内容は……ユーモアハードボイルド?
 硬派ミステリのパロディ?
 クマと共存する新型警察小説?
 
 ミステリ好きさんにおすすめのこの御本、
 出来ればシリーズ第一作『嘆きのテディベア』と併せて、
 ぜひ~♪

「テディベアまにあさんはァ、よむのだッ!」
「……がる~」(←訳:……だね~)
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする