テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

遠くにぽつり、と。

2013-07-01 22:04:10 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 やッほゥ、ななつめッ!」
「がるる!ぐるぐるる!」(←訳:虎です!7月ですね!)

 こんにちは、ネーさです。
 昨日6月30日は、この半年分の身の穢れを祓うべく、
 地元の神社さんでしっかり茅の輪をくぐってまいりました!
 “夏越の祓”ミッションを完了して、
 さあ、新たな気持ちで読書タ~イム!
 本日は、こちらを、どうぞ~!

  



 
             ―― イギリスの小さな教会 ――



 著者は大澤麻衣(おおさわ・まい)さん、2012年12月に発行されました。
 旅行ガイド、いえ、建築ガイドのジャンルに入る御本、でしょうか。

 
 失礼を承知で、それでも正直に言ってしまうと、
 ……地味です。

 
「じけんはァ、おこらないしィ~」
「ぐるるがるるるぐるぐるるる~」(←訳:名物もグルメも出て来ないし~)

 けれども!

 英文学好きな活字マニアさんにとっては、

 
   こういうのを待ってたんだ!

 と大歓迎したくなっちゃう御本でもあるんですよ。
 何故って、
 読めば分かります!

   嵐ヶ丘の登場人物たちが、
   ピーター・ウムジー卿が、
   エルキューッル・ポアロさんが、
   ミス・マープルさんが、
   そして多くの英国の文学作品の主人公さんが、
   神に祈りを捧げ、
   或いは不運を呪い、
   ときに神父さんとヒソヒソ内緒話をしたり、
   硬い木の長椅子に座ってそっと涙ぐんだりしたのは
   こういう場所だったんだ!

 
 そう教えてくれるのが、まさにこの御本で紹介されている、
 英国の小さな教会の数々なのです。

「ちッちゃいィけどォ~!」
「がるるる!」(←訳:ツブより!)

 粒選り、な50の教会は、
 メジャーなガイドブックに載っているような
 大きな町の大聖堂や大修道院ではありません。
 
 題名の示す通りに、
 小さく、ひそやかで、騒々しさとは無縁……。
 でも、土地に根付き、
 国の歴史を支えてきたのも、
 ここに見るような『小さな教会』群なのでしょう。

「いんぐらんどォにィ~」
「ぐぅーるる!」(←訳:ウェールズ!)

 サクソンの教会、
 ノルマンの教会、
 中世の壁画が残る教会、
 チャーチアートと珍しい教会、
 水辺の教会、
 といった視点からイギリス――イングランドの教会を
 著者・大澤さんは訪ね歩いてゆきますが、
 スコットランドから一ヶ所、
 またもう一ヶ所、スコットランドの北の北、
 オークニー諸島の本島に建つ小さな教会も紹介されています。

「ふァ~! はるばるゥ~ながたびィ!」
「ぐるがるる!」(←訳:北の果てだ!)

 UK最北端の教会の名は、イタリアン・チャペル。
 建築が始まったのは20世紀中頃、と歴史は長くないのですが、
 誕生の理由に驚かされます。

 北アフリカ戦線で捕虜となり、
 オークリー諸島に連れて来られたイタリア人たちが
 労働の間に自分たちで造り上げたカトリックのチャペル、だというのですから!

「そんなことがァ?!?」
「がるるぐるるっ!」(←訳:初めて聞いたっ!)

 巻末には、
 イギリス史略年表、
 時代ごとの建築様式、
 石材の名称と産地、
 教会に関する用語の解説までも掲載されていて、
 驚きはいっそう連続します。

 地味、かもしれませんけれど、
 何度も目を開かせてくれる貴重な一冊!
 英文学大好きな御方、
 建築好きさんに、おすすめですよ~♪♪

「じみィ、なんだけどォ!」
「ぐるがる!」(←訳:実り豊か!)

 皆さま、ぜひ一読を!



 
 
  
コメント
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