テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 丘に咲く花 ~

2013-07-28 21:56:37 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 よーろッぱはァ、もうしょッ?」
「がるる!ぐるるがっるる!」(←訳:虎です!暑いんだってね!)

 こんにちは、ネーさです。
 ツール・ド・フランスが閉幕した頃から、
 南欧地域にはシロッコが吹き、
 フィレンツェなどでは最高気温が40℃近くになってるとか。
 2013年は地球規模で猛暑なのでしょうか?
 本日の読書タイムは、
 暑さも忘れさせてくれる名作を御紹介いたしますよ。
 こちらを、どうぞ~!

  



               ―― たんぽぽ娘 ――



 著者はロバート・F・ヤングさん、画像の日本語版は2013年5月に発行されました。
 英語題名は『The Dandelion Girl and other stories』、
 正確を期しますと、
 この御本は日本で独自に編まれた著者・ヤングさんの短編傑作集であり、
 編集にあたったのは訳者の伊藤典夫さんです。
 また、深町眞理子さん、山田順子さんも翻訳に参加しておられます。

「むむゥ~? このォ、だいめいィ~…?」
「ぐるるるがるるがるる~…?」(←訳:どこかで聞いたような~…?)

 『たんぽぽ娘』という作品名。
 ヤングさんという、著者名。

 どこかで聞いた憶えがあるぞ?という御方は、
 大人気のベストセラー《ビブリア古書堂》シリーズの文中で
 『たんぽぽ娘』の名前を目にしたのではないでしょうか。

 《ビブリア古書堂》さんは、
 ええ、もちろん古本屋さんです。
 古本屋さんで扱われる本といえば、
 ごく普通の古本、そして他には、
 奇書や、絶版、版元品切れの書籍も……。

 『たんぽぽ娘』は、長らく入手困難な御本でした。
 ちょうど、古本屋さんでなければ手に入らないような。

 それが、《ビブリア古書堂》で言及された影響でか、
 こうして新たにヤングさんの傑作集が刊行され、
 『たんぽぽ娘』も表題作として収録されたのです♪

「めでたしィ!」
「がるっるる!」(←訳:良かったね!)

 日本のSFファンさんたちの間では、
 かねてより絶賛を博していたヤングさんの代表作『たんぽぽ娘』とは――

 時代は、20世紀。
 主人公のマークさんは、
 かっこいい青年ではなく、
 特殊技能をもったヒーローでもなく、
 どこの街角でも珍しくない、四十四歳のおじさんです。

 思いがけなく一人で過ごすこととなった夏休みの三日目、、
 湖のほとりの山小屋を出、
 なんとはなしに森を歩き、
 丘に登ってみたマークさんが
 そこで出会ったのは。

「ふァ~? なんだろうッ?」
「ぐるがるる?」(←訳:危険なもの?)
「こわいィものッ?」

 危険であるとも
 一種の恐れであるともいえるそれは、
 また、マークさんにとって何より大切なもの。

 ホントに、短編なのです。
 すぐに読み終えちゃうほどの、長くはない御話なのです。

 が、こころに残ります。
 忘れがたい、
 忘れられない、
 煌々たる珠玉作です。

「むむむゥむずかしいィのッ?」
「ぐーるがるっ?」(←訳:ハードSFっ?)

 重力とかエネルギーとかワープとか
 コンピュータとか人工知能とか異種生命体とか、
 堅苦しい知識とは、
 かけはなれた場所に
 この物語はあります。

 夏休みに何か本を一冊読んでみよう――

 そう考えたら、
 どうかこの御本の題名を、
 『たんぽぽ娘』という名を、
 本屋さんで思い出してくださいね!

「ねつれつゥ、おすすめッ!」
「がるるるぐる!」(←訳:イチオシです!)

 『たんぽぽ娘』を含む短編全13作品、
 そして、巻末の『編者あとがき』『ロバート・F・ヤング小史』も、
 必読ですよ!!
 



 
 

 
コメント
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