テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

シャングリラを探して。

2013-07-08 21:56:48 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おおッ! かみなりィさまがァ、ごろごろッ!」
「がるる!ぐるるぅ!」(←訳:虎です!雷鳴だぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ただいま東京・八王子市上空を通過している雷雲は
 スコールのような雨雲も連れてきました。
 外はゴロゴロザーザーと騒がしゅうございますが、
 気を落ち着けて、さあ、読書タイム!
 本日は、こちらを、どうぞ~!

  



                ―― 世界しあわせ紀行 ――



 著者はエリック・ワイナーさん、原著は2008年に、画像の日本語版は2012年10月に発行されました。
 英語原題は『THE GEOGRARHY OF BLISS   One Grump's Search for the Happiest Places in the World』、
 アメリカ人ジャーナリストのワイナーさんによる
 “幸福探し”旅行記です。

「ふァ~、こうふくゥさがしィ!」
「ぐるぐるがるるぐる!」(←訳:自分探しみたいだね!)

 自分探し、には明確な指標がない、かもしれませんが、
 幸福探しには、ちゃあんと基準値が存在しているようです。
 それは……『幸福学』。

 以前は海外特派員として機材を手に紛争地域での取材を重ね、
 《不幸な国》
 を目のあたりにしてきた著者・ワイナーさんは、
 その反動でしょうか、
 《幸福な国》
 を探して旅に出たくなったのでした。

 よし、行こう!
 まずはオランダ!
 『幸福学』の権威、オランダの大学の教授さんを訪ねて!

「むむゥ! おらんだにィ!」
「がるるぐるるる?」(←訳:幸福のヒントが?)

 幸福って、なんでしょう?
 お金?
 娯楽?
 精神的満足?
 家族?
 
 第一章『オランダ――幸せは数値』から
 ワイナーさんの旅は始まります。
 実際に旅をしてみた国々は、というと、

 オランダ――麻薬が合法な国。
 スイス――幸福度の調査では上位にランクイン。
 ブータン――『国民総幸福量』で知られる国。
 カタール――産油国ゆえ、うなるほどのお金がある国。
 アイスランド――幸福データベースによれば世界で最も幸福な国のひとつ。
 モルドバ――逆に、データベースでは地球上で最も幸せから遠い国?
 タイ――『マイ・ペン・ライ(気にしない)』を基本姿勢とする国。
 イギリス――『最大多数の最大幸福』なる理論を生み出した国。
 インド―― 大嫌いで、大好きな国。

「ふゥ~むむゥ?
 このォ、どこかにィ、しあわせがァ~…」
「ぐっるる??」(←訳:あったの??)

 辿り着いた土地で、
 ワイナーさんは《幸福》を探しまわります。

 でも、幸福とはどんな形をしているのか?
 幸福の地――《楽園》はどこにあるのか?
 それを知っている人は?

「だいおしみィしないでッ!」
「がるぐるる!」(←訳:早く結論を!)

 幸福を探す旅御本のエピローグに、
 はたしてワイナーさんはどのような結論に到ったのか、
 その答えを知ることが出来るのは、
 読み終えた御方だけ。

 ですから、皆さまもじっくり付き合ってみてくださいな。
 《幸福》を追いかけるヘンテコ道中に♪

「ちぇッ!
 おしえてくれたッてェ~」
「ぐるるるぅ!」(←訳:いいのにぃ!)

 では、答えの代わりに、
 この御本の冒頭に掲げられている文章を
 ここに記しておきましょう。
 ワイナーさんを《幸福》探しの旅へと駆り立てたのも、
 旅の間のエネルギーになったのも、
 おそらくはこの言葉なのでしょうから。


  《戦争の騒ぎや戦争のうわさが絶えない昨今、
   安心して暮らせる平和な場所を夢想したことはないだろうか。
   生きてゆくために戦い続けるのではなく、
   生きることが喜びにつながるような場所はないだろうか》

     ――映画『失われた地平線』(フランク・キャプラ監督、1937)より――





 
 
 
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