テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

近くて遠い、行く先は。

2013-07-30 21:55:58 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しゅッぱつゥ~しんこうッ!」
「がるる!ぐるぐる~!」(←訳:虎です!潜水開始~!)

 こんにちは、ネーさです。
 は~い、潜りますよ!
 前回記事では巨大な?鯉ちゃんの登場するミステリ作品を御紹介いたしましたが、
 今日は、海です!深海です!
 ダイオウイカくんの本拠・深海を描いた小説作品を、
 さあ、どうぞ~!

  



 
                 ―― 海に降る ――



 著者は朱野帰子(あけの・かえるこ)さん、2012年1月に発行されました。
 では、深海探査希望者さんたち、準備はよろしいか?

「テディちゃ、ゆきまァ~すッ!」
「ぐるがるるる~!」(←訳:いざ海の底へ~!)

 ダイオウイカくんを一躍人気者に仕立て上げたのは、
 NHKが放送したTV番組でしたね。
 深海に棲む生物の調査を推し進めたのは、
 つまり官や公――お役所や省庁ではなく、
 民間のパワー、と申せましょうか。

 日本では、
 海洋科学技術センター、
 海洋研究開発機構、といった機関が
 《深海へ潜る》研究のリーダーとなっています。

 この御本の主人公さんは
 独立行政法人海洋科学研究所(JAMSTEC)に勤務する、
 有人潜水調査船のパイロット候補生!

 彼女の名は、
 天谷深雪(あまがい・みゆき)さん――

「えェッ? かのじょォ??」
「ぐるぐるるっる!」(←訳:女性パイロット!)

 あら、驚くことないでしょ、
 女性が調査船のパイロットになってもいいじゃん!
 と言えたらいいのですが、
 ええ、実はね、驚いてもいいんです。

 深雪さんは、なんと、
 女性初のパイロット候補生。

 研修を重ね、訓練を重ね、整備の技能も習得し、
 やっと摑んだパイロット候補へのチケットでした。

 横須賀の母港から研究船で出航し、
 潜航海域の駿河湾で
 有人潜水調査船《しんかい六五○○》は
 海中に潜入する――

 その《しんかい六五○○》に
 深雪さんは、晴れて乗り込む予定、だったのですが……。

「むむッ? どうしたのでスかッ?」
「がるがるぐるる??」(←訳:トラブルですか??)

 思いがけぬトラブルが、
 深雪さんの手から《しんかい六五○○》を
 遠ざける事態になりました。

 深雪さんは、潜水調査の第一線から外され、
 広報課に預けられてしまいます。

「えええッ! それじゃあァ!」
「ぐるるるるー!」(←訳:潜れないよー!)

 トラブルの原因とは、いったい?
 そして、深雪さんはパイロットに復帰できるのでしょうか?

 ひとりのパイロット候補生の“危機”を縦糸に、
 著者・朱野さんはさまざまな横糸を縒り合せて
 物語を織り進めてゆきます。

 珍しい深海生物を発見することだけが主眼ではない、
 海洋研究の幅広さ――
 生物圏、地球の内部構造、
 地球全体の地殻変動、海底資源などなど、
 宇宙よりも身近なはずなのに
 あまりに多くの事柄が不明な
 《深海》。

「なぞだらけッ!」
「がるぐるる!」(←訳:未知だらけ!)

 この御本はフィクションではありますが、
 私たち読み手の目前に
 深海への扉を開いてくれる得難い一冊です。

 ダイオウイカくんのブレイクをきっかけに
 いっそう、深海を見たい!知りたい!と感じ入った御方に
 熱烈おすすめいたしますよ~♪

「ではァ、いよいよッ!」
「ぐるがる~!」(←訳:潜航始め~!)
 



 
コメント
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