テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ブラシを持った天使たち。

2013-07-25 21:47:59 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あはァ! せみのォ、なきごえェ~!」
「がるる!ぐるぐるがるる!」(←訳:虎です!ミンミン蝉だね!)

 こんにちは、ネーさです。
 今年はセミが少ないんじゃ?などと噂されていましたが、
 ここ数日は賑やかな鳴き声(歌?)が聞こえてきます。
 本日の読書タイムは、
 夏休み中の子どもたちのように元気な一冊を御紹介いたしますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



 
              ―― 新幹線 お掃除の天使たち ――



 著者は遠藤功(えんどう・いさお)さん、2012年8月に発行されました。
 活字マニアさんならずとも、
 この御本の、
 そして御本の主役たる《お掃除の天使たち》さんについては
 もうお聞き及びでしょうかしら。

「ふァいィ! テディちゃ、てれびィでェ、みましたでス!」
「ぐるるがるるー!」(←訳:ボクも見たよー!)

 そうね、TVで報道されたものを見た、
 という御方は大勢おられるかもしれません。
 或いは、東京駅の新幹線ホームで
 本物の《お掃除の天使たち》さんを、
 そのきびきび働く姿を実際に目にした御方もおられるでしょう。

 新幹線ホームで、
 さっ!と整列、一礼し、
 列車がホームに停車している僅か7分の間に
 広い車内をきれいにお掃除し、磨き上げ、
 そしてまた、さっ!と一礼してお仕事完了。

 神ワザのような、魔法のような、お掃除。

 そんなお掃除をやってのけ、
 ホームのお客さんたちも見惚れてしまう《天使たち》は、
 『テッセイ』という会社の社員さん&パートさんたちです。

「ぷろふぇッしょなるゥ!」
「がるるぐーる!」(←訳:エキスパート!)

 この御本は、
 『テッセイ』に勤務する《天使たち》の美談集――

 と、予想して読み始めたら、
 あらららら?
 なにやら様子が違います。

 美談っぽい御話も収録されてはいるのですが、
 これって……
 ビジネス書ですね!

「かいしゃうんえいィのォ、ほんッ?」
「ぐるぐるがるる?」(←訳:ビジネス指南書?)

 著者・遠藤さんは注意深く、
 《お掃除の天使たち》の周囲を研究してゆきます。

 なぜ新幹線の車両政争会社がこれほど私たちの胸を打つのか?
 『新幹線劇場』はどのように生まれたのか?

 
「たくさんのォひとのてでェ~」
「がるぐるるるる!」(←訳:育て上げられた!)

 お掃除の見事さが話題になっていても、
 『テッセイ』さんのお仕事はそれだけではありません。
 
 ド広い東京駅構内を道案内したり、
 お客さまの介助をしたり、
 ホームでの安全に気を配る――

「すごいィねッ!」
「ぐるる!」(←訳:大活躍!)

 《天使たち》の誕生と進化を記録したこの御本の中には
 ひどく印象的な言葉が織り込まれています。

   《新幹線は生き物》
   《新幹線は使い捨てじゃない》

 御本の巻末には
 作家・城山三郎さんが座右の銘にしていた言葉も。

   《静かに行くものは健やかに行く。健やかに行く者は遠くまで行く》

「いいなァ……りそうのォ、たびィ!」
「がるぐるるる!」(←訳:夢のような旅!)

 新幹線大好きな御方、
 一風変わった(でも実は正統派な)ビジネス書を探している御方は、
 ぜひ、一読を~♪



 
 
コメント
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