テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 東京へ、百の手紙 ―

2013-11-07 21:55:25 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぱちぱちぱちぱちィ! まッてましたでス!」
「がるる!ぐるるるがる~!」(←訳:虎です!あの御方です~!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい!本日の読書タイムでは、
 活字マニアさん以外の方々にも大人気&大注目の
 あの御方の作品に来ていただきましたよ~♪
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



 
              ―― 東京百景 ――



 著者は又吉直樹(またよし・なおき)さん、2013年9月に発行されました。
 ええ、本好き諸氏には『第2図書係補佐』、
 せきしろさんとの共著『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』、
 田中象雨さんとの共著『鈴虫炒飯』でお馴染みの
 ピースの又吉さんの御本です!

「いよッ、またよしィおにいさんッ!」
「ぐるぐるるがるる!」(←訳:ますますのご活躍!)

 又吉さん、最近は
 《書生芸人》さん、なんて呼ばれちゃってるらしいですね。
 でも、それも当然だわ!と納得してしまう“筆の力”が
 この御本の中で高熱を発しています。
 北風に負けない太陽のように!

「ぜんぶでェ、ひゃくゥ!」
「がるぐるるる!」(←訳:百の東京です!)

 又吉さんが愛する太宰治さんの短編『東京八景』――

 東京での思い出を、その折々の風景に委ねて書いてみたい、と思い、
 又吉さんが始めた連載の題名は『東京百景』でした。
 東京で暮らすようになって10年、という頃のことです。

 限りなく白紙に近かった、
 と述懐する時代から10年を経、
 白紙はやがて、
 又吉さんの見た東京の町々の風景に変わってゆき、
 こうして一冊の書籍になりました。

「まずはァ、えェ~とォ、むさしのッ!」
「ぐるるがるる?」(←訳:三鷹が多いね?)

 太宰さんが住まい、
 御自身もアパートを借りて暮らした三鷹や高円寺周辺に
 又吉さんは書く別の思い入れがあるようです。
 そして、暮らした町と対極ともいえる仕事場としての町、
 TV局やスタジオ、
 養成所のある町、
 ロケで知ったオシャレな街や埠頭。

「うむゥ! いろんなァ、とうきょうゥ!」
「がるがるがっるるぐるっるる!」(←訳:キラキラだったり暗かったり!)

 又吉さんの目に映る、
 お台場、下北沢、赤坂……

 それら東京の景色のうち、
 最も《仕事の空間》色が濃いのは
 『ルミネtheよしもと』
 と題された一編でしょうか。

 新宿、LUMINEの7階。
 ここに又吉さんたちが出演する劇場があることは
 よく知られていますね。
 けれど、出演する若手芸人さんたちの
 舞台袖での息遣いまで伝わってくるようなこの描写は、
 そこで生きる者にしか分からない、知りようがない……

 《芸》の、《芸能》の世界を道に選んだ者の、
 喜び、誇り、かなしみ、つらさ、切なさ。
 そして、覚悟。
 そのすべてが、短い一編の内側で
 輝き、澱み、咆哮しているかのよう!
 本当に素晴らしい作品です!

「またよしおにいさんにィ~!」
「ぐるるがる!」(←訳:今回も拍手!)

 さあ、活字マニアの皆さん、
 読み逃さないでくださいね♪
 2013年きっての必読本なんですから!!




 
コメント
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