テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

夢と謎の日々。

2013-11-10 21:42:03 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 ♪るるゥ~♪あるぷすゥいちまんじゃくゥ~♪」
「がるる!ぐるるるがる~♪」(←訳:虎です!アルペン踊り~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 昨日11月9日の『ステキな金縛り』TV放送を観て以来、
 ♪アルプス一万尺~♪のフレーズが頭から離れません……
 どうしたものやらと溜め息しつつ、
 さあ、本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~!

  



 
            ―― わたしのリミット ――



 著者は松尾由美さん、2013年9月に発行されました。
 《バルーンタウン》シリーズ、『安楽椅子探偵アーチー』、
 『雨恋』、『ハートブレイクレストラン』他の作品で
 ミステリファンの心をがっちりつかんでいる著者・松尾さんの最新作です!

「ひょうしにはァ、おんなのこッ!」
「ぐるがるる!」(←訳:二人いるね!)

 表紙に大きく描かれているのは
 10代とおぼしき女の子がふたり……
 申すまでもなく、この御本の主人公さんたちですね。

 向かって右、学校の制服姿の女の子が、
 物語の語り手でもある『わたし』――
 坂崎莉実(さかざき・りみ)さんです。

 莉実さん、17歳の誕生日を迎えたばかりなのに、
 浮かぬ顔をしていますが、
 その理由は……

「むゥ~? おうちのォ、なかでェ~…」
「がるがるる!」(←訳:何か異変が!)

 お父さんとふたり暮らしの莉実さん、
 いつもと変わらぬ朝、のつもりで起きて、
 そこで首を傾げました。

 あれ? お父さんがいない?

「おさんぽォ、でスかァ?」
「ぐるるる?」(←訳:おトイレ?)

 いいえ、お家の中のどこにも
 お父さんはいないのです。

 代わりにあったのは、書置き。
 しばらくのあいだ留守にする、
 行き先については知らせるわけにはいかない、
 一か月後には戻ってくる、必ず戻ってくる、という内容の。

 そして、“代わり”がもうひとつ。

 莉実さんが会ったこともない、
 見知らぬ女の子がひとり、
 お家の中にいたのでした。

「いつのまにィ?」
「がるがるぐるるっ?」(←訳:どこから来たのっ?)

 いつ?
 どこから?
 何の目的で?
 莉実さんが疑問と謎に振り回される一ヶ月が始まり、
 そして一ヶ月の終わりに見出すものとは……?

「うゥ~むゥ! かんたんなァようなッ?」
「ぐるがるるる?」(←訳:難解なような?)

 ミステリマニアさんの中には、
 お話の骨格を見抜いてしまう御方もいるかもしれません。
 けれど、ぼんやり予想をしていてもなお、
 心を動かされる《結び》が
 読み手を待っています。
 ミステリに於けるトリックや手段や動機よりも、
 はるかに貴重で大切な何かとともに。

「これこそがァ、ものがたりィ!」
「がるるるる!」(←訳:まことの美!)

 この御本も、2013年ベストBOOK!に挙げたい一冊です。
 活字マニアの皆さま、ぜひ~! 


 
コメント
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