テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 上に!下に!の騒乱道中 ―

2013-11-15 21:42:00 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 せーのッ、ちくりィッ!」
「がるる!ぐるぐるっる!」(←訳:虎です!チクチクっと!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、そろそろシーズンですからね、
 私ネーさ、インフルエンザの予防接種をチクっとやっちまってきましたよ。
 体質や持病のため予防接種できない御方もおられるでしょうが、
 体調が良い方々は早めにチクっ!を済ませちゃいましょうね。
 では、肩の荷をちょこっと下したところで、
 本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~!

  



 
               ―― 一路 ――



 著者は浅田次郎さん、2013年2月に発行されました。
 『一路』は『いちろ』とお読みくださいね。

「しんじんさんをォ、よろしくゥ!」
「ぐーるーがるるるぅ!」(←訳:ルーキーなんですぅ!)

 新人、ルーキー、駆け出し、新米……
 いつの時代にも、社会にデビューしたての若人さんは存在します。
 この御本の主人公・小野寺一路(おのでら・いちろ)くんも
 お江戸の時代の、そんな新社会人の一人、なのですが。

 一路さん、がっつりハンデを背負っての
 武家社会デビューとなりました。

「むゥ~…かわいそぅ~…」
「ぐるがっるるる~…」(←訳:災難だったよね~…)

 火災により、お父上を亡くし、
 同時に御先祖がお殿さまより拝領した御屋敷も焼失してしまい、
 急遽お家を継がねばならなくなった上に、
 参勤道中の御供頭(おともがしら)の大役を
 務める仕儀と相成った一路くん。

 御供頭は、
 一路くんの先祖さま方が代々務めてきた御役目。
 本来なら、何の支障もなくやってのけられるはず、ですけど、
 お父上から仕事のコツひとつ教わるでもなく、
 学業と剣術ひと筋に育ってきた一路くんに、
 いきなり御供頭、なんていっても……ねえ?

「だッってェ、いちろくんはッ」
「がるるる!」(←訳:まだ19歳!)

 数えで十九、ということは
 現代での実年齢は18歳。

 18歳のぴよぴよヒヨっ子侍が、
 七千五百石の旗本家中を率い、
 西美濃田名部郡(にしみの・たなぶごおり)の知行地から、
 江戸へと向かう――

 その道中は平坦なものではありません。
 峠の険が、
 降りこめる雪が、
 身も凍てつく北風が、
 一行に襲いかかります。

「……それにィ~!」
「ぐるぐるっ!」(←訳:怪しいよっ!)

 お殿さまの蒔坂左京太夫(まいさか・さきょうのだいぶ)様、
 そして江戸へと赴く家臣団の中には、
 それぞれの思惑を抱き、
 不審な行動に走る者が、ひとり、ふたり、いや、もっと?

 ああ、一路くんの歩む道は困難の度合いを増すばかり……。

「しんじんッ、だもんねェ~」
「がるるるる~」(←訳:つらいよね~)

 エンタな時代物を語らせれば最強!な著者・浅田さんによる
 艱難辛苦も笑いもユーモアも
 盛れるだけ盛りまくった痛快ロードームーヴィーは、
 冬将軍の足音が迫る今の季節にこそおすすめ!

 そして、本文を読み終えたら、
 上下巻2冊を並べ、
 表紙画をじ~っくりと眺めてみてくださいな。
 山口晃さんによる“道中双六”風の画には
 名場面・名台詞が描き込まれ、
 祝着至極&拍手喝采♪

「あはァ♪ おもしろすぎィ~♪」
「ぐぅるるーる!」(←訳:ファンキーだ!)

 読む楽しみ、
 見る楽しみ、
 両方を堪能できちゃう素晴らしい作品を、
 皆さま、ぜひ~!


コメント
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