こんにちは、ネーさです。
さあ♪ 新年度の到来とともに拙ブログは
『テディちゃと虎くんとネーさの海外サッカー雑記』
としてリスタート――
「こんにちわッ、テディちゃでス!
ちがいまスううゥ~ッ!」
「がるる!ぐーるるがるるぅ!」(←訳:虎です!ネーさの嘘つきぃ!)
はいはい、エイプリルフールですので
ちょっとばかり嘘八百してみました♪
では、あらためまして、
新年度初の読書タイムは、こちらを、どうぞ~!
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―― 人魚 ――
編者は長井那智子(ながい・なちこ)さん、2016年3月に発行されました。
『mermaid & merman』と英語題名が付されたこの御本は、
《人魚》を主題とするアンソロジー作品です。
収録順に御紹介いたしますと、
中原中也さん著『北の海』
小川未明さん著『赤いろうそくと人魚』
オスカー・ワイルドさん著『漁師とかれの魂』
アンデルセンさん著『人魚物語』
谷崎潤一郎さん著『人魚の嘆き』
高橋鐵さん著『怪船《人魚号》』
アイルランド民話『カッパのクー』
太宰治さん著『人魚の海 新釈諸国噺』
安倍公房さん著『人魚伝』
「わふゥ! きょしょうがァ、ずらァ~りィ、なのでス!」
「……ぐるっ??がっる??」(←訳:……うんっ??カッパ??)
そうね、↑上の作品名を目にして、
あれれ?と首を傾げてしまうのが、
アイルランド民話の、
『カッパのクー』
でしょうね。
「かッぱがァ、でてくるのはァ~」
「がるるるぐるぅ?」(←訳:遠野物語でしょ?)
カッパと訳されていますけれども、
実際には、海魔、とでも呼んだらよいのでしょうか。
御本の英語題名にもなっている、
『mermaid』とは人魚の女性名詞、
『merman』は人魚の男性名詞であり、
しかし、
このアイルランド民話に登場する『カッパ』は
人魚の定義とは微妙にズレている存在のようです。
アイルランドの海岸。
人里から離れ、荒涼とした場所の一軒家で、
ジャック・ドハルテは
妻と寂しく二人暮らし……
いえ、寂しいかどうかはともかく、
決して貧しくはない暮らしです。
海は、色々なモノを海岸に打ち寄せてくれます。
嵐の後は特に収穫が多く、
木綿やタバコや葡萄酒の樽やブランデーの樽やらが
岸辺にどんぶらこ、どんぶらこ。
「それはァ、ぬれてにィあわッ!」
「ぐるるるる!」(←訳:ひと財産だ!)
海岸は、隅々までがジャックの庭。
今日もぶらぶら歩いていると、
……おや?
岩の上に、いままで見たことのなかったようなものが?
「かッぱァ、でスゥ!」
「がるるっ??」(←訳:あれがっ??)
さて、ジャックとカッパの、
奇妙かつ牧歌的な交遊が向かう先にあるものは――
ええ、或る意味、これはアイルランドの遠野物語。
カッパという呼び名の相応しさに頷かされる一編ですよ♪
「よーろッぱにもォ、にほんにもォ!」
「ぐるるるがるるぐる!」(←訳:不思議な何かがいる!)
アンデルセンさん、谷崎さん、太宰さん、と
巨匠さんの作品が居並ぶ中、
読後に特別な余韻を残すのは、
ひいき目ではなく、やはり、
小川未明さんの『赤いろうそくと人魚』だと
私ネーさは思うのです。
たたみかけてくる絶望感、
童話というレッテルを貼らせない厳しさ怖さは、
一度読んだら忘れようもありません。
赤いろうそくの灯が、
山の上のお宮へと上ってゆくのが、
まことに、瞼の裏に浮かぶような、
鮮やかな幕切れ。
「これこそォ、にんぎょのォものがたりィでス!」
「がるるぐる!」(←訳:海魔の真髄!)
また、御本の巻末には、
編者・長井さんによる詳細な作品解説も収録されていて、
これがすてきに素晴らしい!
水島爾保布さん作のカバー装画についても
丁寧な紹介文が記載されていますので、
どうか読み漏らさないでくださいね。
「いッさつゥ、まるごとォ、にんぎょッ!」
「ぐるがる!」(←訳:稀少です!)
ミステリやファンタジー小説が好きな御方は
ぜひ、一読を♪
さあ♪ 新年度の到来とともに拙ブログは
『テディちゃと虎くんとネーさの海外サッカー雑記』
としてリスタート――
「こんにちわッ、テディちゃでス!
ちがいまスううゥ~ッ!」
「がるる!ぐーるるがるるぅ!」(←訳:虎です!ネーさの嘘つきぃ!)
はいはい、エイプリルフールですので
ちょっとばかり嘘八百してみました♪
では、あらためまして、
新年度初の読書タイムは、こちらを、どうぞ~!

―― 人魚 ――
編者は長井那智子(ながい・なちこ)さん、2016年3月に発行されました。
『mermaid & merman』と英語題名が付されたこの御本は、
《人魚》を主題とするアンソロジー作品です。
収録順に御紹介いたしますと、
中原中也さん著『北の海』
小川未明さん著『赤いろうそくと人魚』
オスカー・ワイルドさん著『漁師とかれの魂』
アンデルセンさん著『人魚物語』
谷崎潤一郎さん著『人魚の嘆き』
高橋鐵さん著『怪船《人魚号》』
アイルランド民話『カッパのクー』
太宰治さん著『人魚の海 新釈諸国噺』
安倍公房さん著『人魚伝』
「わふゥ! きょしょうがァ、ずらァ~りィ、なのでス!」
「……ぐるっ??がっる??」(←訳:……うんっ??カッパ??)
そうね、↑上の作品名を目にして、
あれれ?と首を傾げてしまうのが、
アイルランド民話の、
『カッパのクー』
でしょうね。
「かッぱがァ、でてくるのはァ~」
「がるるるぐるぅ?」(←訳:遠野物語でしょ?)
カッパと訳されていますけれども、
実際には、海魔、とでも呼んだらよいのでしょうか。
御本の英語題名にもなっている、
『mermaid』とは人魚の女性名詞、
『merman』は人魚の男性名詞であり、
しかし、
このアイルランド民話に登場する『カッパ』は
人魚の定義とは微妙にズレている存在のようです。
アイルランドの海岸。
人里から離れ、荒涼とした場所の一軒家で、
ジャック・ドハルテは
妻と寂しく二人暮らし……
いえ、寂しいかどうかはともかく、
決して貧しくはない暮らしです。
海は、色々なモノを海岸に打ち寄せてくれます。
嵐の後は特に収穫が多く、
木綿やタバコや葡萄酒の樽やブランデーの樽やらが
岸辺にどんぶらこ、どんぶらこ。
「それはァ、ぬれてにィあわッ!」
「ぐるるるる!」(←訳:ひと財産だ!)
海岸は、隅々までがジャックの庭。
今日もぶらぶら歩いていると、
……おや?
岩の上に、いままで見たことのなかったようなものが?
「かッぱァ、でスゥ!」
「がるるっ??」(←訳:あれがっ??)
さて、ジャックとカッパの、
奇妙かつ牧歌的な交遊が向かう先にあるものは――
ええ、或る意味、これはアイルランドの遠野物語。
カッパという呼び名の相応しさに頷かされる一編ですよ♪
「よーろッぱにもォ、にほんにもォ!」
「ぐるるるがるるぐる!」(←訳:不思議な何かがいる!)
アンデルセンさん、谷崎さん、太宰さん、と
巨匠さんの作品が居並ぶ中、
読後に特別な余韻を残すのは、
ひいき目ではなく、やはり、
小川未明さんの『赤いろうそくと人魚』だと
私ネーさは思うのです。
たたみかけてくる絶望感、
童話というレッテルを貼らせない厳しさ怖さは、
一度読んだら忘れようもありません。
赤いろうそくの灯が、
山の上のお宮へと上ってゆくのが、
まことに、瞼の裏に浮かぶような、
鮮やかな幕切れ。
「これこそォ、にんぎょのォものがたりィでス!」
「がるるぐる!」(←訳:海魔の真髄!)
また、御本の巻末には、
編者・長井さんによる詳細な作品解説も収録されていて、
これがすてきに素晴らしい!
水島爾保布さん作のカバー装画についても
丁寧な紹介文が記載されていますので、
どうか読み漏らさないでくださいね。
「いッさつゥ、まるごとォ、にんぎょッ!」
「ぐるがる!」(←訳:稀少です!)
ミステリやファンタジー小説が好きな御方は
ぜひ、一読を♪