テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 東から西へ、そして東へ ―

2016-04-26 22:02:57 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ひゃわわッ! ゆうしょうゥしちゃッたでスゥ!」
「がるる!ぐるぅるるるる!」(←訳:虎です!ユヴェントスが!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええもう、ユーヴェ五連覇成る!の報については
 明日たーっぷりお喋りすることにしまして、
 まずは《くまモン募金箱》のお話から!
 YAHOO!JAPANネット募金内で
 作家・脚本家にして
 くまモンくんのパパ・小山薫堂さんが実行委員長を務める
 《くまモン募金箱》が活動を開始いたしました♪
 私ネーさ、些少で申し訳ないのですが、
 手持ちのTポイントを、ポチっ!と。
 薫堂さんのファンの皆さまは、
 あたたかく活動を見守ってくださいね。
 では、ここからは、本日の読書タイムを、どうぞ~!
 
  



        ―― 明治の建築家 伊東忠太 ――



 著者はジラルデッリ青木美由紀(あおき・みゆき)さん、
 2015年12月に発行されました。
 『オスマン帝国をゆく』と副題が付されたこの御本、
 まさに労作です!
 
 伊東忠太(いとう・ちゅうた)さん(1867~1954)さんの旅の記録を、
 これほど細部まで“発掘”してのけるとは!

「ちゅうたァおじさんはァ~」
「ぐるるあるる!」(←訳:建築家なのだ!)

 建築家・伊東忠太さんの、
 最もよく知られている作品といえば、
 築地本願寺さんでしょうか。
 それに、一橋大学兼松講堂、阪急うめだ店他、
 現役で大活躍している建物が多いのですけれど……

 忠太さんの作品を目にした御方、
 訪れたことのある御方は、
 思うはずです。

 これは、東洋なりや?
 それとも、西洋なりや?

「どッちィでスかっ??」
「がるるぐる……?」(←訳:微妙に東洋……?)

 柱は……西洋っぽい?
 屋根のラインは……東洋かなぁ?
 でも……ガーゴイルがいる?
 ウシさんやらゾウさんやら獅子さんやら怪物やら、
 へんてこりんな彫像があちこちにある……?

 全体はなんとなく東洋風、に見えるんだけど、
 西洋なのだろうか?

「けんちくゥすきなァおかたはァ~…」
「ぐるるる!」(←訳:悩みます!)

 イスタンブルに暮らす
 オスマン美術・建築史研究家の著者・ジラルデッリ青木さんは
 かねてから忠太さんの旅行記に注目しており、
 2010年の《トルコにおける日本年》を機に、
 この御本の執筆に取り組むこととなりました。

 明治次代。
 開国後の日本から、
 多くの青年たちが西洋を――
 ヨーロッパへと出発します。

「せいじかのォ、たまごさんッ!」
「がるるるるぐるるるる!」(←訳:画家さんや文学者さん!)

 エリート官僚候補生さんや、
 技術留学生さんたちにとって
 東洋の国や都市は、通過点、に過ぎなかったかもしれません。

 西洋画習得の意欲に燃える画家さんたちにも、
 東洋の街々はエキゾチックで魅力的にこそ映れど、
 終着点、ではなかった……

 目的地は、パリであり、ロンドンであり。

 東洋や中東では、決してない――

「でもォ、ちゅうたァおじさんはァ~」
「ぐるるるるるがるる!」(←訳:見逃しませんでした!)

 東から西への旅の途中、オスマン帝国。
 とりわけ、イスタンブルの都で
 忠太さんは憑かれたように建築見物に没頭します。

 そのリストが御本の巻末に掲載されているのですが、
 いやー、半端じゃありませんね!
 これ全部見たのかしら? 
 回ったのかしら?

「すごいィでス、ちゅうたァおじさんッ!」
「がるぐるがるる!」(←訳:健脚鉄人建築家!)

 とっくりとオスマン帝国の建築を味わい、
 そうして、ギリシャへ、イタリアへ、パリへ、
 ロンドンへ。

 壮大な旅のはて、
 忠太さんの眼と心に、
 《世界の建築》はどのような像を結んだのか。

「それがァ、ほんがんじィさんッ?」
「ぐるるがーるるる?」(←訳:屋根のガーゴイル?)

 ジャンルとしては建築史。

 しかし、大旅行記としても、
 明治の豪傑偉人伝としても楽しく読める作品は、
 歴史好きさん、
 もちろん建築マニアさんにもおすすめです!

 図版資料も多数収録されているので、
 アート好きな活字マニアさんも、ぜひ!
 読み終えたら、必ずや拍手したくなりますよ。

「ちゅうたァおじさんとォ!」
「がるるるっるぐるるるる!」(←訳:ジラルデッリ青木さんに!)


 
コメント
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