テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

見えてくる、歴史!

2016-04-04 21:54:23 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ネーさッ、たいへんでスゥ!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!勝ち点に変動が!)

 こんにちは、ネーさです。
 んまああっ!
 週末のセリエで波乱発生!
 2位ナポリが負けて首位ユヴェントスとの勝ち点差が6に!
 このままユーヴェが余裕の独走モードに入っちゃうのか?
 あ、いえ、フットボールじゃなくて、
 読書、読書、と……はい、
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



         ―― ギリシア人の物語 Ⅰ ――



 著者は塩野七生(しおの・ななみ)さん、2015年12月に発行されました。
 『民主制の始まり』と巻題が付されたこの御本は、
 著者・塩野さんの代表作たる《ローマ人の物語》と対をなす、
 《ギリシア人の物語》第一巻です。

「ろーまていこくのォ、おとなりィ!」
「ぐるるがるるぐるる!」(←訳:なのに関係が不思議!)

 御本の冒頭で、塩野さんは記しています。

  なぜ今になってギリシア人の歴史を書く気になったのか。

  西洋文明の基礎とされる、
  ギリシア・ローマ文明の、
  ローマの部分は『ローマ人の物語』で描いたけれど、
  ギリシアに関しては、
  『ローマ人の物語』Ⅰ巻の、52ページ文でしか
  取り上げていなかった……

  それでは、いくらなんでも失礼であるし、
  昨今とみに耳にすることが多くなった
  民主主義とは何か、
  民主政下のリーダーとはどうあるべきか、
  この問題の行き着く先は、
  民主政治の創始者・古代ギリシアなのだから――

「ぎりしあにィついてェ~」
「がるるるるぅ!」(←訳:書かなくちゃ!)

 ローマ人の行跡を追ったように、
 ギリシア人の行跡を、いま、追いかける。

 そうして幕が上がった《ギリシア人の物語》は、

 第一章『ギリシア人て、誰?』
 第二章『それぞれの国づくり』
 第三章『侵入者ペルシアに抗して』
 第四章『ペルシア戦役以降』

 の四つの章に分けられ、
 ギリシアという“国”のベースが詳述されてゆきます。

 ギリシア神話を生んだ土地と、
 その土地に住まう人々、
 成熟する都市国家(ポリス)と、
 “哲学”の芽――

「むむッ、むずかしくゥなッてきましたでスゥ!」
「ぐるるがるるるるぅ~…」(←訳:教科書みたいだよぅ~…)

 濃過ぎる内容に息切れしそうになったら、
 そうね、
 ちょっとページを飛ばして、
 本文173ページの
 『テルモピュレー』を覗いてみましょう。

 歴史に名高い《テルモピュレーの戦い》、
 スパルタ王レオニダス率いる300人の兵士と、
 ギリシアを征服せんと襲来した
 ペルシア軍100万人の激闘は
 近年では映画『300(スリーハンドレッド)』、
 その原作であるフランク・ミラーさんのグラフィックノベル『300』で
 御存知の方々も多いことでしょう。

「ひゃくまんにんはァ~」
「がるるぐる!」(←訳:大袈裟です!)

 実際の、テルモピュレーの戦いはどうであったのか。

 塩野さんは冷静に、
 当時のギリシの政治状況、国際情勢、
 各都市国家の特徴と、
 そしてまたペルシア軍の内情をも分析します。

 ペルシア軍、20万人。
 迎え撃つギリシア軍は、補助兵まで加えても1万人。

 戦力比、20対1。

 それへ、レオニダス王が選択した“策”とは?

「むむむッ! ねむけもォ、ふッとびィまス!」
「ぐるがるるる!」(←訳:胸がどきどき!)

 ギリシアの智の平和、戦国、戦乱、
 興亡と行末。

 《ローマ人の物語》に夢中になった活字マニアさんは、
 ぜひ、こちらの《ギリシア人の物語》も!
 教科書では見えなかった古代ギリシアが
 ありありと見えてくる快作です!
 激おすすめですよ~♪
 
 
 
コメント
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