テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ココロは何処に。

2016-04-25 22:03:44 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ちぇッくゥめいとォ、でスかッ?」
「がるる!ぐるるー!」(←訳:虎です!王手だー!)

 こんにちは、ネーさです。
 ユヴェントス、勝ちました!ので、
 リーグ優勝に必要なのは、あと勝ち点1!
 明日にも決まるのか?次節に持越しか?
 元気玉をまず九州へ投げてから、
 ハラハラ気分のまま、
 本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~!
 
   



        ―― ダンゴムシに心はあるのか? ――



 著者は森山徹(もりやま・とおる)さん、2011年4月に発行されました。
 『新しい心の科学』と副題が付されています。

「……だんごむしィ、ッていうとォ~…」
「ぐるがるるるる、ぐるる?」(←訳:あのダンゴムシ、だよね?)

 えーと、説明の前に、白状いたします。
 私ネーさ、この御本の題名を読んで、

 ダンゴムシに心はあるのか、ですって?
 名作SF映画『ブレードランナー』の原作、
 F・K・ディックさんの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の
 パロディ作品なのかしら??

 と、思い込みかけました。

 のですが、もちろん誤解です。早トチリです。

 信州大学で比較認知科学と動物心理学の研究に携わっている
 著者・森山さんが、
 真剣に、至極真面目に取り組んだのが、この
 『ダンゴムシに心はあるのか?』。

 生命と心のかかわりを追及する、
 科学論文です。

「でもォ、それはァ~!」
「がるーるるるるーるぐるる!」(←訳:ブレードランナーと同じだ!)

 そうなのよね、
 映画『ブレードランナー』に登場するレプリカント……
 彼らはヒトなのか?
 人造の身体に、心は宿るのか?
 
 そして、ダンゴムシもまた、
 姿形はヒトとは異なれど、
 確かにひとつの生命体です。

 ならば、彼らダンゴムシが心を有する可能性は?

「ぜろォじゃないィ、でスよねッ?」
「ぐるるがる!」(←訳:可能性あり!)

 いえ、ちょっと待ってくださいな。
 そもそも心とは何なんでしょう?

 著者・森山さんは、
 御本の第一章を《心とは?》の定義に費やします。

 心とは、何なのか。

 脳があれば心もある、のか?
 感情すなわち心、なのか?
 
「むむむゥ、えェ~とォ?」
「が~るるぅ?」(←訳:う~んとぉ?)

 《心》とは何であるかを、
 森山さんは、次のように言い表しています。

  ――私の内にあるもう一人の私――

「うちなるゥじぶんッ??」
「ぐるるる?」(←訳:それが心?)

 その定義をもとに、
 さあ、いよいよ第二章に進みましょう。

 ダンゴムシも、
 “内なる私”を持っているのか?

 庭先、公園、神社の物陰、石の下からダンゴムシくんたちを集め、
 森山さんは実験を繰り返します。

 周囲を水に囲まれたら、ダンゴムシくんはどう行動する?
 されるがまま、なのか?
 それとも回避行動に出る?

「けんとうゥもォ、つきませんッ!」
「がるるるぐるるがっる?」(←訳:どうするダンゴちゃん!)

 実験の詳細は、
 敢えてここには記しませんが
 (ネタバレになっちゃいますから)、
 
 『道具使用の萌芽――ダンゴムシの知性』という文章には、
 私ネーさ、テンション上がりましたよ!

 生き物が道具を初めて手にする瞬間……

 おお、それはもうひとつの名作SF映画
 『2001年宇宙の旅』を彷彿とさせる光景ではありませんか!

 ダンゴムシに、心はある?
 心があって、知性もあるのなら、
 彼らの生物としての未来は?
 何万年か先に、
 彼らの心は、脳は、社会は、どうなっている??

「そこまでェいッちゃうぅとォ~!」
「ぐるるるがる!」(←訳:ホントにSF!)

 おっと、失礼しました、
 森山さんはダンゴムシくんたちの未来には言及していませんが、
 彼らの可能性について、
 さらには他の動物たち、
 はては石!
 ええ、石にも心があるであろうとさえ
 示唆しています。

「だんごむしのォ、つぎはァ??」
「がっる!」(←訳:石って!)

 刊行当時はたいそうな評判であったこの作品を、
 遅ればせながら読んでみて、
 いえ、もう2度か3度読み返してみないと
 まだまだ分からないことがいっぱいなのですが、
 なるほど、これは
 『新しい心の科学』です。

 《心》をもっともっと知りたい、
 理解したい、という活字マニアさんは、
 ぜひ、一読を!

 
 
コメント
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