「こんにちわッ、テディちゃでス!
きょうはァ、じてんしゃれーすゥにィ、ちゅうもくゥでス!」
「がるる!ぐる~がーるぐる!」(←訳:虎です!パリ~ルーベです!)
こんにちは、ネーさです。
ユヴェントスがめでたくも順調に勝ち点を重ねた今日は、
パリとルーベ間で行われるワンデイレースに集中しましょう。
泥と埃と砂まみれになりつつ、
石畳の悪路を一位で走破するのは誰だ?
速報が入ってくるまでのひとときを、
さあ、こちらの御本とともに、お過ごしくださ~い♪
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―― 愛犬たちが見たリヒャルト・ワーグナー ――
著者はケルティン・デッカーさん、原著は2013年に、
日本語版は2016年1月に発行されました。
独語原題は『RICHARD WAGNER.MIT DEN AUGEN SEINER HUNDE BETRACHTET』、
ドイツが誇る大作曲家ワーグナーさんの
“知られざる一面”が、この御本で明らかに!
「むふゥ? わーぐなーさんッてェ~…」
「ぐるがーるるーぐる?」(←訳:あのワーグナーさん?)
ヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナーさん(1813~1883)。
『ローエングリン』『ニーベルングの指輪』
『パルジファル』『トリスタンとイゾルデ』他、
19世紀のロマン派歌劇を代表する作曲家さんである、
あの、ワーグナーさん、です。
御本の題名からも、お分かりのことでしょう。
ワーグナーさん、実は愛犬家さんで、
というより、
リアル“ドリトル先生”と呼びたくなるような、
たいそうな動物好きさんだったのでした。
「ふァ~? どうぶつゥまにあッ?」
「がるるるっる!」(←訳:知らなかった!)
21世紀の現在、
世界中に、イヌ好きさん、ネコ好きさんがおられます。
しかし、19世紀――
産業革命と科学の時代、
バイエルン王国の金庫がオペラ&お城マニアの王さまによって
空ッポにされかけていた時代にも、
やはり居たのです、愛犬家さんが。
もっとも、現在の動物好きさんの眼には
とんでもないヤツ!と映るかもしれません。
「しょくじにィ、きをつけてッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:寝床を清潔に!)
そんな御飯はダメよ!
塩分が強過ぎるわ!
ワンコたちの寝る場所は清潔にして!
ノミやダニだらけになっちゃうでしょ!
と、愛犬家さんたちが悲鳴を上げるのが
聞こえてくるような気がしますが……
フィラリアの治療薬や各種のお薬がない当時、
ワンコたちの基礎的な医学情報などなかった状況で、
ワーグナーさんはワーグナーさんなりに
動物たちを愛します。
犬に顔中をペロペロ舐められないと、
ああ、起きる時間が来た気がしない!
一緒に床を転がりまわって遊ぶ、
この至福のとき!
フランツ・リストよ、聞いてくれ!
わたしのかわいがっていた小さなオウムが、
かわいそうに、とうとう死んでしまった!
あれは我が家の守り神だったのに!
「……これはァ、そうとうゥ~」
「がるぐるるる~…」(←訳:重症みたいだ~…)
巻末の、訳者さんのあとがきによれば、
この御本がドイツで刊行された2013年は
ワーグナーさんの生誕二百周年にあたり、
さまざまな関連本が出版されたのだそうです。
犬好きさんが多いドイツやオーストリアで
とても歓迎されたのが、この作品、であったとか。
「どうぶつゥだいすきなァかたがたのォ~」
「ぐるるがるるる!」(←訳:共感を得ました!)
ワーグナーさんと動物たちのこの評伝作品の巻頭に、
著者・デッカーさんは、
モーリス・メーテルリンクさんの言葉を掲げています。
ワーグナーさんの心境そのもののような、
短くも、真理をついたその言葉をお借りして、
本日の読書タイムを締めくくることにいたしましょう――
わたしたちは孤独だ、
この星のうえで、まったくのひとりぼっちだ。
わたしたちを取り巻く、あらゆる形のいのちのなかで
犬のほかには
わたしたちと盟約を結んだものはいない。
きょうはァ、じてんしゃれーすゥにィ、ちゅうもくゥでス!」
「がるる!ぐる~がーるぐる!」(←訳:虎です!パリ~ルーベです!)
こんにちは、ネーさです。
ユヴェントスがめでたくも順調に勝ち点を重ねた今日は、
パリとルーベ間で行われるワンデイレースに集中しましょう。
泥と埃と砂まみれになりつつ、
石畳の悪路を一位で走破するのは誰だ?
速報が入ってくるまでのひとときを、
さあ、こちらの御本とともに、お過ごしくださ~い♪

―― 愛犬たちが見たリヒャルト・ワーグナー ――
著者はケルティン・デッカーさん、原著は2013年に、
日本語版は2016年1月に発行されました。
独語原題は『RICHARD WAGNER.MIT DEN AUGEN SEINER HUNDE BETRACHTET』、
ドイツが誇る大作曲家ワーグナーさんの
“知られざる一面”が、この御本で明らかに!
「むふゥ? わーぐなーさんッてェ~…」
「ぐるがーるるーぐる?」(←訳:あのワーグナーさん?)
ヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナーさん(1813~1883)。
『ローエングリン』『ニーベルングの指輪』
『パルジファル』『トリスタンとイゾルデ』他、
19世紀のロマン派歌劇を代表する作曲家さんである、
あの、ワーグナーさん、です。
御本の題名からも、お分かりのことでしょう。
ワーグナーさん、実は愛犬家さんで、
というより、
リアル“ドリトル先生”と呼びたくなるような、
たいそうな動物好きさんだったのでした。
「ふァ~? どうぶつゥまにあッ?」
「がるるるっる!」(←訳:知らなかった!)
21世紀の現在、
世界中に、イヌ好きさん、ネコ好きさんがおられます。
しかし、19世紀――
産業革命と科学の時代、
バイエルン王国の金庫がオペラ&お城マニアの王さまによって
空ッポにされかけていた時代にも、
やはり居たのです、愛犬家さんが。
もっとも、現在の動物好きさんの眼には
とんでもないヤツ!と映るかもしれません。
「しょくじにィ、きをつけてッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:寝床を清潔に!)
そんな御飯はダメよ!
塩分が強過ぎるわ!
ワンコたちの寝る場所は清潔にして!
ノミやダニだらけになっちゃうでしょ!
と、愛犬家さんたちが悲鳴を上げるのが
聞こえてくるような気がしますが……
フィラリアの治療薬や各種のお薬がない当時、
ワンコたちの基礎的な医学情報などなかった状況で、
ワーグナーさんはワーグナーさんなりに
動物たちを愛します。
犬に顔中をペロペロ舐められないと、
ああ、起きる時間が来た気がしない!
一緒に床を転がりまわって遊ぶ、
この至福のとき!
フランツ・リストよ、聞いてくれ!
わたしのかわいがっていた小さなオウムが、
かわいそうに、とうとう死んでしまった!
あれは我が家の守り神だったのに!
「……これはァ、そうとうゥ~」
「がるぐるるる~…」(←訳:重症みたいだ~…)
巻末の、訳者さんのあとがきによれば、
この御本がドイツで刊行された2013年は
ワーグナーさんの生誕二百周年にあたり、
さまざまな関連本が出版されたのだそうです。
犬好きさんが多いドイツやオーストリアで
とても歓迎されたのが、この作品、であったとか。
「どうぶつゥだいすきなァかたがたのォ~」
「ぐるるがるるる!」(←訳:共感を得ました!)
ワーグナーさんと動物たちのこの評伝作品の巻頭に、
著者・デッカーさんは、
モーリス・メーテルリンクさんの言葉を掲げています。
ワーグナーさんの心境そのもののような、
短くも、真理をついたその言葉をお借りして、
本日の読書タイムを締めくくることにいたしましょう――
わたしたちは孤独だ、
この星のうえで、まったくのひとりぼっちだ。
わたしたちを取り巻く、あらゆる形のいのちのなかで
犬のほかには
わたしたちと盟約を結んだものはいない。