テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 金と赤の、歌姫たち ~

2016-08-07 22:06:04 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふゥ~ッ! おまつりにィ、おりんぴッくゥ!」
「がるる!ぐっるるがるぐるる?」(←訳:虎です!どっちを優先しよう?)

 こんにちは、ネーさです。
 開会式にロードレース、フェンシングに水泳、体操……
 オリンピックのニュースに心がウズウズいたしますが、
 今日のところは、
 《おまつり》を意識した読書タイムにいたしましょうか。
 本日は、夏の宵にふさわしい、こちらの御本を、
 さあ、どうぞ~♪
 
  



             ―― 金魚ノ歌 ――



 著者は深堀隆介(ふかほり・りゅうすけ)さん、2016年6月に発行されました。
 『KINGYO no UTA』と英語題名が付されています。
 
 お祭りの屋台で活字マニアの皆さまにもお馴染みの、
 《金魚すくい》――

「わおゥ! これはァ、あのッ!」
「ぐるがーる!」(←訳:金魚アート!)

 自らを“金魚絵師”と称する著者・深堀さんに、
 かつて、再生をもたらしたのは、
 まさにそんな、
 夏祭りですくってきた一匹の金魚ちゃんでした。

「あかいィきんぎょッ、でスねッ!」
「がるるる!」(←訳:女の子だ!)

 ああ、美術なんてやめてしまおう……と、
 落胆しきっていた或る日、
 深堀さんの世界観を一変せしめたのは
 一匹の金魚だったこと。
 そのときの出来事を、
 《金魚救い》と呼んで大切にしていること。

 深堀さんのファンの方々の間でよく知られるエピソードは、
 この御本の冒頭にも記されていますが、
 深堀さんを救った金魚ちゃんにも、
 それは本望とも言えることだったでしょう。

「あーとにィ、へんしんッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:大人気だよ!)

 アクリル樹脂の中に、
 多層的に金魚たちを描く。

 深堀さんの金魚たちは
 メディアやネットで紹介された途端、
 大きな反響を起こしました。

 日本はもちろん、海外でも注目され、
 ミュンヘン、ロンドン、NY他で個展を開催、
 著名なアートコレクターさんも絶賛、
 いまや深堀さんのさくひんを入手するのは至難の極みです。

「きんぎょちゃんッ、すーぱーすたーなのでス!」
「がるるるぐるる!」(←訳:歌姫さんみたい!)

 この御本には、
 深堀さんが2011年から2015年にかけて制作した
 金魚の歌姫さんたちの、
 いわば“肖像画”が
 写真となって収められています。

 桶、桝(ます)、お椀、貝殻、
 亡き子の靴の中に、
 柄杓に、
 そして板や布の中に
 尾をゆらめかせている金魚たちの姿。

「ゆらゆらァ~してまスゥ~…」
「ぐるるる!」(←訳:息してる!)

 深堀さんのいんぎょたちは、
 決して《きれいごと》ではありません。

 アクリル樹脂の水の中には
 虫がいます。
 水草の葉は黒ずんでいたり、穴が開いていたりします。
 金魚のウンチだってあります。
 白いお腹を見せているのは、息絶えた仔でしょうか。

 しかし、それでも美しい。

 観る者を虜にする、金魚たち――

「ほんとはァ、ほんものをォみてほしいィのでスよゥ!」
「がるるぐるるるるがる!」(←訳:実物の金魚姫さんたち!)

 書籍という形の、
 この『金魚ノ歌』に耳を傾けた後は、
 さあ皆さま、本物の金魚姫たちに会いに行きましょう♪

 現在、横浜スカイビル(横浜駅東口)では
 深堀さんの作品展
 《キンギョ・イン・ザ・スカイ》が開催中です。
 会期は2016年8月5日~8月28日まで、
 10階と28階に会場が設置されており、
 観覧は無料ですよ!
 
「てんたかくゥ、およぐゥきんぎょちゃんッ!」
「ぐるるるがるるるるぐる!」(←訳:歌姫から天女さんに出世!)

 さらには、
 NHK『美の壺』にも
 出演しちゃいますよ、金魚ちゃんたち。

 BSプレミアム(3ch)にて、
 8月12日夜7時30分~、
 (再放送は8月16日午前11時~、8月18日朝6時30分~)
 放送の予定です。

「こッちもォ、たのしみィ~♪」
「がるぐるるっ!」(←訳:録画予約だっ!)

 書籍で、映像で、
 そして、実物で。

 金魚たちの歌を、皆さま、ぜひ。
 
 

 
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