テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

中世×本格ミステリ!

2016-08-16 22:15:16 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 くはうゥ! きょうふうゥ~ッ!」
「がるる!ぐるがるぅるるぅ!」(←訳:虎です!傘がオチョコにぃ!)

 こんにちは、ネーさです。
 台風による断続的な強風と雨に見舞われているここ東京・八王子ですが、
 戸締りをしっかり済ませたら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  


      
         ―― ケルン市警 オド ① ――



 著者は青池保子(あおいけ・やすこ)さん、2016年8月に発行されました。
 中世の修道院を舞台にした
 青池さんの人気作《修道士ファルコ》シリーズから
 新たに生まれたスピンオフ作品です。

「もふふゥ! こんどはァ、しゅうどうしさんじゃなくてェ~」
「ぐるるるるる!」(←訳:お役人さんだ!)

 《修道士ファルコ》では、
 リリエンタール修道院の薬草園を管理し、
 施療者としての腕を揮い、
 さらには“捕り物”でも活躍してみせる、
 修道士オドさん。

 《ファルコ》シリーズの主要キャラクターの一人である
 オドさんの前身は、
 ドイツの都市ケルンの警吏(けいり)さんだったのです。

「ちゅうせいのォ、おまわりさんッ、でスねッ!」
「がるるるぐるるがる!」(←訳:ケルンは大都市だよ!)

 都市の治安を守る――

 これって、
 中世も現代も、基本ルールは同じなんですね。
 人が集まる場所には犯罪が発生する、
 それを法の番人さんが摘発し、
 町や国といった行政府が罪人を罰する。

 日本でいうなら、平安時代の検非違使とか、
 戦国時代では京都所司代とか、
 江戸時代では南北の奉行所がありました。

 では、中世の大都市ケルンでは、
 どうしていたか、というと。

 町の住民の大半を占める同職組合(ツンフト)が
 警備を担っていましたが、
 14世紀半ばの頃から、
 常時活動する治安役人さんが設置されたのです。

「まいにちィ、いそがしィのでス!」
「ぐるがるるぐるるる!」(←訳:市の警備に休日なし!)

 喧嘩、物乞いたちの縄張り争い、
 武器の不法所持、借金の踏み倒しを許さず、
 暴力行為の現行犯を逮捕!
 と、都市犯罪の取り締まりに邁進していた
 オドさんでしたが。

 上司の警視さんから
 突然の命令が下りました。

 或る商家の使用人さんが
 旅先で行方不明になった――

 彼を探し。見つけ出すのだ!

「ふむふむゥ、ひとさがしィでスねッ!」
「がるぐるがる?」(←訳:市の外へ出張?)

 大都市の警備職をいったん離れ、
 行方不明者の捜索へ。

 町のおまわりさんが
 一転、警視庁の刑事さんになっちゃった感じですが、
 利発な若き警吏オドさん、
 ギャップをものともせず、 
 捜査に取り組みます。

 出張先で、
 使用人さんの身に何が起こったのか……?

「これはァ、まるでッ」
「ぐるがる!」(←訳:探偵小説!)

 少女漫画の枠を超え、
 広くマンガ好きさんに支持される著者・青池さんらしく、
 ここに描き出された世界は
 時代考証も万全な《本格ミステリ》!

 マンガをあまり読まない方々にも
 激おすすめしたいのが《修道士ファルコ》シリーズと
 こちらの新シリーズ《市警オド》です。
 特に、歴史好きな御方は、
 ぜひぜひ、一読を~♪

「しぜんとォ、みにつくゥ、ちゅうせいのォちしきィ!」
「がるるるぐるがるる!」(←訳:面白さも特級ですよ!)

 
コメント
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