テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

コワそうで、でも優しい。

2016-08-11 21:59:43 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おぼんやすみィ~、はじまりましたでス!」
「がるる!ぐるがっるぅ~!」(↑訳:虎です!帰省ラッシュ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 《山の日》であり、お盆休みに入った今日は、
 リオでのメダルラッシュに拍手するも、
 我が地元校・八王子学園八王子の闘いに無念の涙を呑みました……
 甲子園って、スゴイところなのねえ。

「おうえんにィ、びびッたのでス!」
「ぐるるるるがるぐる!」(←訳:球児たちの晴れ舞台!)

 八王子学園の生徒さんたちにも精一杯の拍手を送りつつ、
 では、ここからは読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



        ―― いまそこにいる君は ――



 著者は北方謙三(きたかた・けんぞう)さん、2016年6月に発行されました。
 『十字路が見える』と副題が付されています。
 その『十字路』とは……

「ふァ? じゅうじろッ?」
「がるるるぐぅるる?」(←訳:曲がり角じゃなく?)

 出版社さんやネット書店の内容紹介では、
 “16年の歳月をかけた大長篇小説を仕上げた作家が手にした
  一瞬の静寂”
 “また新たな十字路を目指す”
 と記されています。

 勘のいい活字マニアさんは、これだけで、
 あ、そうかぁ、と分かりますね。

 16年の歳月を費やした力作、といったら、
 北方さんの《大水滸伝》シリーズ全51巻のことだ、と。

「いッぴつゥ~にゅうこんッ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:大作なのです!)

 そんな大河的作品を完成させても、
 著者・北方さんはここでまた、
 エッセイ一冊まるごとを費やし、
 さらなる飛躍を期して
 新作への決意表明をブチ上げた!

 というのはちょっと大袈裟に過ぎますけれど、
 さすがに超大作を描き切った作家さんです、
 喜怒哀楽の振れ幅MAXの日々が
 ここにはぎっしり詰まっています。

「えいがのォおはなし、ぼくしんぐのォおはなしィ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:イタリア生活記!)
「つりのォ、おはなしィ!」

 大長篇作品の、
 シリーズ最終巻――51巻目を書き始めるにあたっての、
 覚悟を述べているのは、
 御本の第四部《秋よりも遠く》中の、
 『長すぎる物語などないのだ』。

 《大水滸伝》シリーズファンの方々には
 必涙&必読、感動の一編です。

 かと思えば、
 幸福な笑いに満ち、
 もらい涙してしまう一編もあり、
 映画スターさんとの交流を綴った一編もあり。

「ふァいッ! テディちゃ、このおはなしィ、すきでス!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:楽しくて切なくて!)

 お写真にはいつも
 強面(こわもて)風にうつっている北方さん。
 怖いひとなのかしら…?と、おののいてしまった方々は、
 第三部《夏独り追われ》中の
 『犬が独り言を聞いてくれた』と
 『寂しいと言っても仕方がないな』を
 読んでみてくださいな。

 娘さんたちに切望され、
 犬を飼うことになったパパさんの奮闘は
 なんともカワイイ……
 おっとと、カワイイなんて書いたら怒られそうね。
 えーと、微笑ましい、でいいかしらん?

「やッてきたのはァ、こいぬちゃんッ!」
「がるるぐる!」(←訳:黒ラブだね!)

 スパルタ式に育てようとする北方さん。
 一方、娘さんたちは、子犬ですもの、
 蝶よ花よと育てたい♪

 父と娘との衝突、その結果は……?

「もちろんッ!」
「ぐっるるる!」(←訳:勝ったのは!)

 子犬につけられた名前がまた、
 笑っちゃいけないんですけど、笑っちゃいます。
 笑いつつ、北方さんがいかにその子犬を愛し、
 慈しんだかも感じさせられます。
 ワンコ好きさんには絶対おすすめの一編ですよ。

「さいこうのォ、ぱぱさんッ、なのでスゥ!」
「がるぐるるる!」(←訳:犬派パパです!)

 強面だけれど、
 限りなく優しい。

 そんな作家さんの濃密なエッセイ集を、
 お仕事の、帰省の、
 受験勉強や夏休みの宿題の手をいっとき休めて、
 皆さま、ぜひ♪

 

 

 

 
 
 
 
 
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