テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

栄光の、表も裏も。

2016-08-29 22:08:16 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 もッとォ、ひがしにィ~!」
「がるる!ぐっるがるる!」(←訳:虎です!もっと遠くに!)

 こんにちは、ネーさです。
 こっち来るな~!という私たちの“念”が通じたのか、
 やや進路が東に逸れた台風10号……
 いやいや、もっとだ、もっと東へ行っちゃえ!と
 あらためて念じながら、
 さあ、今日もも読書タイムです。
 本日は、こちらの小説作品を、どうぞ~♪
 
  



           ―― スティグマータ ――



 著者は近藤史恵(こんどう・ふみえ)さん、2016年6月に発行されました。
 『サクリファイス』『エデン』『サヴァイブ』に続く
 ロードレーサー白石誓(しらいし・ちかう)さんを主人公にした
 シリーズの最新刊ですよ。

「これはァ、つーるゥでスねッ!」
「ぐーる・る・がるるる!」(←訳:ツール・ド・フランス!)

 自転車競技の、ことにロードレースのファンである方々には、
 御本の表紙写真からも、よ~くお分かりですよね、
 毎年7月にフランスで開催される
 ツール・ド・フランス!

 グラン・ツールと呼ばれる3大レース、
 イタリアで行われる『ジロ・ディ・イタリア』、
 フランスで行われる『ツール・ド・フランス』、
 ちょうどいま
 スペインで行われている『ブエルタ・ア・エスパーニャ』のうち、
 最も華やかで、
 最も注目され、
 最も人気が高いのが、
 他でもなく、この『ツール・ド・フランス』なのですが……

 『ツール・ド・フランス』には
 暗い歴史があります。

「すきゃんだるゥ、でしたでス!」
「がるぐるるるるる~…!」(←訳:目を覆いたくなる~…!)

 リオ・オリンピックでも問題になった
 ドーピング行為。

 かつて、ツールではドーピングが蔓延していました。

 いえ、すべての選手がドーピングに手を染めた訳ではありませんが、
 一部の選手の許し難い違法行為により、
 ツールの評判は地に堕ちたのです……
 
 そして、違法行為が発覚して後は
 多くのタイトルが剥奪され、
 記録も抹消されました。
 現在、グラン・ツールでは
 非常に厳しいドーピング検査が実施されています。
 
「くりーんにィ、たたかおうゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:薬物追放!)

 主人公・白石誓さんが挑んでいるのは
 そんな背景を持っているスポーツです。

 暗い歴史はあっても、
 依然として人気は絶大な『ツール・ド・フランス』。

 ロードレーサーならば、
 そこに出場するのが夢、
 そこでステージ優勝するのが夢、
 それに、もしも、総合優勝できるなら――

「ゆめのォ、またゆめッ!」
「がるぐるるぅ!」(←訳:憧れだよねぇ!)

 夢を叶えるためには、人はなんでもする、のでしょうか。
 ためらうことなく、
 違法な薬物に手を出す、のでしょうか。

 フランス南部、
 バスク地方のプロチームに所属する白石さん、
 今年、『ジロ』には出場できなかったけれど、
 『ツール』の出場選手に選ばれました!

 チームのエース、ニコラ選手のアシストとして
 ニコラさんを優勝させるため、
 それに来年度の契約が欲しい自分のためにも
 気を引き締めてレースに向かう白石さんに
 降りかかるのは。

「とらぶるのォ、よかんッ!」
「ぐるがるっ!」(←訳:事件かもっ!)
 
 御本の題名『stigmata』とは
 ラテン語で『聖痕』を意味する言葉です。

 世界一過酷なレースのどこに
 『聖痕』が刻まれているのか、
 誰が『聖痕』を背負っているのか、
 ツール好きさんも
 スポーツ好きさんも、
 いざ、楽しく一読を!


 
コメント
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