テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

モノにも、ヒトにも、それぞれの《いわく》?

2016-08-14 22:10:10 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わううぅ! なんたるゥにちようびィ!」
「がるる!ぐっるるるがる!」(←訳:虎です!ビックリの連続!)

 こんにちは、ネーさです。
 土曜日深夜のSMAP解散報道に続き、
 今日の日曜日もオリンピックや海外サッカーと、
 バタバタの一日になりましたが、
 心を落ち着けるためにも、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、お盆休みに最適な?こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



         ―― 古道具屋 皆塵堂 ――



 著者は輪渡颯介(わたり・そうすけ)さん、2011年2月に発行されました。
 ↑上の画像は単行本なのですけれど、
 現在は文庫版も刊行されている
 奇妙奇っ怪な古道具専門店《皆塵堂(かいじんどう)》シリーズの
 この御本は記念すべき第一作です。

「きみょうゥ~…??」
「ぐるるがるる!」(←訳:なんか匂うぞ!)

 ええ、ちょっと匂うかもしれません。

 お江戸の時代の、古道具屋さん。
 現代でいうならリサイクルショップさんですね。

 誰かの手許にあったモノ、
 さんざん使い古されたモノ、
 家に置いておくよりはお金に換えてしまえ!
 といったノリで
 いろいろな品物が持ち込まれるのが
 古道具屋さん、なのでございますが。

「でもォ、このォおみせはァ~…?」
「がるがるぐるるる?」(←訳:ボロボロ過ぎるよ?)

 《皆塵堂》さんの店頭に並んでいるのは、
 鍋、釜、桶、柄杓などなど、
 やたらと雑多な“安物”古道具の類……?

 いくら古道具屋さんといえど、
 良質の書画骨董も扱っていないのは、
 いったい何故なのか……?

「そッ、それはッ」
「ぐっるるぅ??」(←訳:やっぱりぃ??)

 そう、そこにはやはり、ワケがあるんです。

 他の古道具屋さんでは引き取ってくれないような物でも、
 《皆塵堂》さんは引き取ってくれる。

 いわくつきの、
 得体の知れない妖しい品も、
 このお店なら、
 引き取ってくれる……

「ひゃわッ! なッ、なまぬるいィ~かぜがッ!」
「がるぐるる!」(←訳:急に鳥肌が!)

 かような評判で知られる《皆塵堂》さんに、
 珍しくも、新しい働き手さんがやってきました。

 《皆塵堂》さんの御主人が、
 同業他社の《銀杏屋(いちょうや)》さんの
 跡取り息子さんを預かったのです。

 太一郎(たいちろう)さんというその青年が
 《皆塵堂》に来たのは
 いわゆる“修行”のため。

 なのですが、
 実は太一郎さん、
 見えてしまう体質、なんですねえ。

「ううッ、それはァたいへんでスゥ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:いわくの衝突だ!)

 いわくある品だらけのお店と、
 いわくが見えてしまう人間。

 しかも太一郎さん、
 自分が見えてしまう体質だと認めたくない、
 認めようとしないものですから、
 お話はこじれます。

 今日も、簪(かんざし)が、
 開かずの間の戸が、
 太一郎さんの心をぞわぞわ~っと騒がせる……

「ぎゃわわわァ~ッ」
「がるぅ!」(←訳:出たぁ!)

 カワイイ妖怪ちゃんたちのお江戸ホラー、
 ではなくて。

 ひ~んやり正統派の、
 けれど怖すぎないホラーストーリーと、
 太一郎さん&フレンズのコミカルなやり取りも加えた時代小説は、
 はい、夏の夜の読書タイムにうってつけ♪です。

「ねむれェなくなるゥ~…」
「ぐるるがるる~…」(←訳:冷や汗じわり~…)

 江戸もの好きな御方におすすめの
 《皆塵堂》シリーズ、
 ミステリ好きな活字マニアさんも、
 ぜひ、一読してみてくださいね。
 
 
 
コメント
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