テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《天才》の素顔を、やさしく、やわらかく。

2016-08-19 22:10:30 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 みごとなァ、しゅんそくゥ!!」
「がるる!ぐるるがっるる!」(←訳:虎です!韋駄天だったね!)

 こんにちは、ネーさです。
 リオ五輪400mリレーの速さに頭がクラクラいたしましたよ。
 37秒チョイで400メートルを走るなんて……
 超がつく運動音痴の私ネーさには、
 100万年たってもムリですわねぇ。
 拍手&ため息しつつ、
 さあ、本日も読書タイムです。
 ↓この御方の運動神経は、どうだったのかしら~?

  



       ―― レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 ――



 著者はコンスタンティーノ・ドラッツィオさん、原著は2014年に、
 日本語版は2016年7月に発行されました。
 伊語原題は『LEONARDO SEGRETO』、
 『天才の挫折と輝き』と日本語副題が付されています。

「えいえんのォ、てんさいッ!」
「ぐるるるるがるるるる!」(←訳:唯一無二のマエストロ!)

 レオナルド・ダ・ヴィンチさん(1452~1519)。

 もはや、あらためて説明する必要もない、
 ルネサンスの巨匠、
 《天才》という称号にふさわしい御方です。

 レオナルドさんに関する研究は、
 NASAが宇宙を探査するのと同じように、
 21世紀のいまも熱烈進行中です。

 骨董市でレオナルド派の絵画が新発見されれば
 (ええ、レオナルドさん本人の作品ではなくとも)、
 研究者さんたちは色めきたち、
 レオナルドさんの作品を模写した素描が見つかった、というだけで
 そのニュースは世界中に発信されちゃうほど。

「みんなァ、れおおじさんにィ、むちゅうゥ!なのでス!」
「がるるっるぐるがるる!」(←訳:なんたって天才だから!)

 そんな次第で、レオナルドさんの評伝、伝記の類は、
 毎年のように続々刊行されていますが、
 イタリアの美術史家ドラッツィオさんによるこの御本、
 良い意味で軽妙・明快で、
 とーっても分かりやすい!

 御本の巻頭にカラーの図版資料、
 次に《登場人物》としてレオナルドさんの家族、
 仕事仲間たち、
 パトロンとなった貴族たち王族たち、
 弟子たちの名前が記され、
 簡単な年表なども配されていて、
 そしてようやく本文――
 レオナルドさんの伝記部分へ、とつないでゆき、
 さらにまた、
 本文のあちこちに
 『こぼれ話』を忍ばせる……

 もちろん、
 学者さんたちの間だけで通じる専門用語は排し、
 文章もすっきりと。

「よみやすいィでス~!」
「ぐるるがるぐるる!」(←訳:情景が目に浮かぶ!)

 フィレンツェ郊外、ヴィンチ村の少年が
 工房で才能を見出され、認められ、
 やがては職人という枠をも外れて、
 宮廷へ、国外へと歩みを進め、
 名声を高めていったのか。

 それらは、既に知られていること、かもしれません。
 とっくに判明していること、かもしれません。

 けれど、
 ドラツィオさんの筆にかかると、
 不思議に親しく、
 ものやわらかに、
 “ものがたり”が染み入ってくる……

「れおおじさんのォ、きどあいらくゥ!」
「がるるぐるる!」(←訳:長所や弱点も!)

 私ネーさ、個人的には、
 一枚の画にいかにレオナルドさんが時間を費やしたかを
 つくづくと実感させられました。

 一枚一枚、
 一画一画に
 彼はどんな思いを、心血を注いでいたことか――

「そこうゥさくごゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:紆余曲折!)

 訳者・上野真弓さんは
 ドラツィオさんのこの御本を
 《美術エッセー》と呼んでいます。

 偏見や既成概念を取り除いた、
 レオナルドさんの素顔、
 素の声に耳を澄まそうとする、
 意欲と意気の一冊は、
 アート好きさん&歴史好きな御方におすすめです。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 
 
 
コメント
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