テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

走りに走る、赤玉魂。

2018-02-01 22:05:40 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふァいッ! テデイちゃもォ、はわいィ~へェゆきたいでス!」
「がるる!ぐるるるる~!」(←訳:虎です!パラダイス~!)

 こんにちは、ネーさです。
 缶コーヒー『BOSS』のCMで日頃はクールな宇宙人ジョーンズさんが、
 初めて自分の感情をバクハツさせ、
 ハワイでの休暇を夢見るシーンが話題になっていますね。
 ああ、私たちもハワイへ行ってみたい♪……のですけれど、
 本日の読書タイムは、
 ハワイではなく関西方面が舞台のようです。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



           ―― 太陽と乙女 ――



 著者は森見登美彦(もりみ・とみひこ)さん、2017年11月に発行されました。
 森見さんがデビューして14年、
 その間に著したエッセイ作品をドスン!と凝縮させたのが
 賑々しくも華やかな表紙画、
 きらめく黄金の題字に彩られたこの御本、なんですよ。
 

「あかだまァわいんッ!」
「ぐるるがるるー!」(←訳:タヌキたぬきー!)

 人気の《有頂天家族》シリーズ、
 『夜は短し歩けよ乙女』、
 『聖なる怠け者の冒険』、
 『夜行』――
 大勢の活字マニアさんから愛される作品を
 せっせせっせと書くかたわら、
 森見さんはどんなことを想っていたのでしょう?
 何をしていたのでしょう?

 その疑問は、
 ページを捲るたび、
 ほろほろと解けてゆきます。

「どくしょォ、したりィ~」
「がるるるぐるる~」(←訳:ぶらぶらしたり~)

 御本冒頭の『まえがき』では、

   《眠る前に読むべき本》
   そんな本を一度作ってみたいとつねづね思ってきた。

   あなたがいま手に取っているのはそういう本である。

 と記しておきながら、
 本文の内容は、
 寝る前にぴったりのゆったりのんびり~♪
 ではありません。

「わらッちゃッたりィ~しんみりィしたりィ~」
「ぐっるるがるるるるる?」(←訳:けっこうスペクタクル?)

 嬉しいことに、
 森見さんもシャーロック・ホームズさんのファンなんだわ!
 と判るのは本文25ページ、
 ホームズさんシリーズの短編
 『オレンジの種五つ』についての文章です。

 一方、
 《有頂天家族》ファンさんを嬉しがらせること必至なのは、
 本文61ページ、
 『すべてのアカダマは昭和へ通ず』。

「なァるほどォ、でスねッ♪」
「がるるるる!」(←訳:赤玉への愛!)

   一度だけ茄子(なす)になったことがある。

 と衝撃の告白が明かされているのは
 本文259ページの
 『茄子への開眼』。

 作品『詭弁 走れメロス』舞台化に際してのコメント、
 再演にあたってのコメントも
 ぷふふっ♪と
 読み手を笑わせてくれます。

「わふッ♪ なすゥ~♪」
「ぐるるぅ~♪」(←訳:茄子かぁ~♪)

 私ネーさ的にグッと来てしまったのは、
 『聖なる怠け者の冒険』について書かれた
 本文123~128ページのふたつの文章でした。

 フジモトマサルさんの挿絵による、
 怪人・ぽんぽこ仮面のものがたり!
 その快走と暴走!

 でも、迷路のような冒険物語の新聞連載が終わった後、
 頑張りぬいた森見さんの気力は……?

「そうゥだッたのでスかァ~…」
「がるぅ~…」(←訳:ふうぅ~…)

 喜びも悲しみも
 たおやかに積み上げられた14年分の
 《エッセイ全集》、
 森見さんのファンの方々は、
 ぜひぜひ、一読してくださいね~!


 

 
コメント
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