テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《肖像画》に探すものは。

2018-02-22 22:14:28 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでッス!
 はふゥ! はやいィ~ッ!」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!突風みたい!)

 こんにちは、ネーさです。
 スピードスケート女子団体パシュート、なんたる速さ!
 あれが金メダルの速度なのね!と手に汗握りましたよ。
 選手さん&スタッフさんに今日も拍手を送りながら、
 さあ、熱戦の合間には読書タ~イム♪
 本日は、こちらの大型アートブックを、どうぞ~!

  



        ―― ART GALLERY 肖像画 ――



 監修は青柳正規さん、木島俊介さん、中野京子さん、
 2017年9月に発行されました。
 《テーマで見る世界の名画》とシリーズ名が冠された
 全10巻の《ART GALLERY》シリーズの第2巻『肖像画』には、
 『姿とこころ』と副題が付されています。

「ふァ~! おおきィしィ~!」
「ぐるる!」(←訳:重いし!)

 ほぼ正方形の外観が人目を惹く《ART GALLERY》シリーズ、
 縦も横も約31㎝、と
 持ち歩くのは容易ではありませんが……

 大判、ってことは
 御本の本文に印刷されてる図版も大判、ってことです♪

「ふァいッ! みやすゥいィ~でス!」
「がるぐっるる!」(←訳:表情くっきり!)

 大きな画面と、
 印刷も精巧な、
 西洋絵画史に名だたる肖像画――

 第1章『肖像画の歩み』は、
 このような文章で幕を開けます。

 ―― 肖像画は、絵画の歴史とともに始まった ――

 そして、次のページには
 ポンペイの遺跡に描かれた
 『パン屋の夫婦』の図版が。

「にせんねんまえェのォ、しょうぞうがァ?」
「ぐるるがるっ!」(←訳:きれいだねっ!)

 ポンペイの壁画を皮切りに、
 この御本のカラーページで紹介されている肖像画は
 65作品。

 巻末にはモノクロの参考図版と
 解説文が収録されいますが、
 やはり、じっくり観ていただきたいのは
 カラーの大きな肖像画。
 
 とりわけ、“仕掛け”に唸らされたのは
 本文26ページと27ページ、
 ふたつの肖像画の対比の妙です。

「おおッ! これはァ~!」
「がっるる!」(←訳:やったね!)

 26ページに印刷されているのは
 ディエゴ・ベラスケスさん作『教皇インノケンティウス10世』。

 巨匠ベラスケスさんがその腕を存分にふるって描いたのは、
 豪華な衣装に身を包み、
 キリスト教会の頂点に君臨する
 力強い人物の座像……であるのに対し。

 27ページの中央から
 こちらに滅戦を向けているのは、
 エル・グレコさん作『修道士パラビジーノ』。

 ベラスケスさんの作品に比べて、
 質素な椅子、
 黒を基調とした僧衣、
 “清貧”という言葉を連想させる
 細く肉の薄い顔立ち……と、
 何から何まで正反対?

「すごいィ~ひかくゥでス!」
「ぐるる!」(←訳:挑戦的!)

 この見開き2ページに接すれば、
 読み手の私たちは考えざるを得ません。

 肖像画の本質とは何だろう?
 ただ顔を描けばいいというものではない、
 ポーズや衣装も大事だけれど
 それだけではない――

 肝心なのは、
 《その人》がそこにいること。

「からッぽではァ、だめなのでス!」
「がるるるぐる!」(←訳:イノチよ宿れ!)

 ゴヤさんの大作、
 ピカソさんの『泣く女』、
 ルノアールさんの少女像、
 そしてもちろん、
 レオナルドさんの『モナ・リザ(ラ・ジョコンダ)』など、
 さまざまな肖像画がこの御本には収録されていますが、
 私ネーサの好きな《顔》は、
 本文22ページ、
 ティツィアーノ・ヴェチェッリオさん作
 『手袋を持つ男の肖像』です。

 名も分からない、
 地位も国籍も判然としない、
 しかし、その相貌の背後に
 確かにドラマを感じさせるティツィアーノさんの傑作を、
 皆さまも、この御本で、ぜひ♪

 
 
 
コメント
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