テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

1枚の紙幣から…?

2018-02-18 22:11:30 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 ふゥ~…はァ~…これはァ~…」
「がるる!ぐるるるっるがるるぅ!」(←訳:虎です!オリンピック疲れだぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 選手さんたちの力闘を映像で拝見すると、
 どうしても肩にチカラが入ってしまいますね。
 そこで!本日の読書タイムは、
 凝り固まった身体をほぐすべく、
 ユーモアた~っぷりなこちらの御本を、
 さあ、どうぞ~♪ 
 
  



         ―― 百万ポンド紙幣 ――



 著者はマーク・トウェインさん、2017年2月に発行されました。
 《世界ショートセレクション》シリーズ中の
 《マーク・トウェイン ショートセレクション》と題されたこの御本には、
 米国人作家マーク・トウェインさん(1835~1910)の
 短編7作品が収録されています。

 そして御本の表紙、
 7作品の各扉絵には、
 絵本『りんごかもしれない』『もうぬげない』他で大人気の
 ヨシタケ シンスケさんの可愛い絵が光ってます♪♪

「きゃわゆいィ~!」
「ぐっるるる~♪」(←訳:あったかい~♪)

 そうね、ヨシタケさんの、
 あたたかく、やわらかでやさしい描線は
 この御本にとても似合っているような気がします。

 マーク・トウェインさんの作品といえば、
 『トム・ソーヤーの冒険』、
 『ハックルベリー・フィンの冒険』が
 まず第一に挙げられるでしょうが、
 この御本では――

「ぶッとんでるのでス!」
「がるるるるぐる!」(←訳:吹き飛ばせ常識!)

 ええ、『トム・ソーヤー』とは
 ひと味もふた味も違う衝撃をもたらす7編は
 収録順に、

 『彼は生きているのか、それとも死んだのか?』
 『ギャズビーホテルに宿泊した男』
 『実話 一言一句、聞いたとおりに再現したもの』
 『天国だったか、地獄だったか?』
 『病人の話』
 『ジム・スマイリーと飛び跳ねるカエル』
 『百万ポンド紙幣』

 と、なっていて、
 この中でいちばんのおすすめを選ぶとしたら、
 もうこれしかないって感じの――

「どれッ??」
「ぐるがるるっ?」(←訳:どれですかっ?)

 『百万ポンド紙幣』!!

 ですよ、もちろん!

「やぱりィ?」
「がるる!」(←訳:表題作!)

 『百万ポンド紙幣』――
 英語原題は『The £1.000.000 Bank-Note』。

 27歳の米国人ヘンリー・アダムズくんは、
 サンフランシスコ在住の
 株式仲買店に勤務する前途有望な青年です。

 いや、でした、と言うべきでしょうか。

 とあるアクシデントがもとで、
 ヘンリーくん、
 着の身着のまま、荷物もなく、
 ポケットにたった1ドルしか入っていない状態で、
 ロンドンの路上に立ちつくす羽目になりました。

 その1ドルも、
 飲み食いしたら、無くなってしまって。

「ええッ? いちもんなしィ??」
「ぐるるるるー!」(←訳:どうしようー!)

 空腹にふらつくヘンリーくん。

 そこへ差しのべられたのは
 救いの手ならぬ……百万ポンド紙幣1枚。

「それッてェ、じょうだんでスかァ?」
「がるるぐるがるるー!」(←訳:そんな紙幣ないよー!)

 本物だから、事態はややこしくなるのよ。

 イングランド銀行発行の、
 額面100万ポンドの紙幣。

 日本風に表現すれば
 『一億円札』みたいな超高額紙幣を、
 着てるモノはボロボロ、
 髪はボサボサ、
 どう見てもミリオネアには程遠い青年が持っていたら……?

「おおさわぎィ??」
「ぐるる?」(←訳:大混乱?)

 百万ポンド紙幣を手にしたヘンリーくんの身に
 いったい何が起こるのか。

 これ以上お喋りするのは
 ネタバレになってしまいますので、
 運命の女神さまの絶妙な腕っぷし、いえ、数奇な手腕を
 活字マニアの皆さま、
 御自身の眼で、愉しんでくださいね。

 なお、この御本は
 小学生の高学年向けとして刊行されていますので、
 書店さんの児童書コーナーでぜひ♪
 
 
コメント
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