テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

本は、ともだち。

2018-02-05 22:06:18 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ひゃッほゥ! まさにィ~はなざかりィ~♪」
「がるる!ぐっるるがっるる!」(←訳:虎です!あっちもこっちも!)

 こんにちは、ネーさです。
 パティスリーやショコラトリーで、
 デパートや駅ビルでも、チョコレート売り場がアツいわ!
 ショコラ好きな私ネーさにとっては嬉しい季節です。
 ココロも軽くお財布も軽く、
 読書タイムも足取り軽く、
 本日はこちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
 
  



         ―― 名作なんか、こわくない ――



 著者は柚木麻子(ゆずき・あさこ)さん、2017年12月に発行されました。
 『ランチのアッコちゃん』に始まる《アッコちゃん》シリーズ、
 『あまからカルテット』『BUTTER』他の作品で人気の、
 著者・柚木さんによる初のエッセイ集……
 と謳われてはおりますが、
 実は、ブックガイド?

「でスねッ!」
「ぐーるるる!」(←訳:テーマは本!)

 漫然と、ではなく、
 まっっすぐに、きりりと。

 この御本は、
 “本について”の文章57編で構成されています。

 《フランス文学篇》
 《日本文学篇》
 《イギリス文学篇》
 《アメリカ文学篇》
 
 という4つのパートに分けて
 柚木さんが紹介するのは、
 殆どが、岩波・ちくま・新潮などの文庫に入っているような
 超がつく名作ばかり。

 ただ、それゆえ、かえって――

「しきいィがァ、たかいィ~!」
「がっるるぐるる!」(←訳:とっつきにくい!)

 書店さんに行けば、
 なんとなしに新刊を手に取ってしまうけれど。

 柚木さんの目線は
 文庫の名作コーナーに向かいます。

「なんどもォ、よみかえしちゃゥ~ようなァ」
「ぐるるがるる!」(←訳:名文と名場面!)

 少々とっつきにくい名作の、
 こんなところに読みどころがある、
 生きてゆく上での機微が記されている、
 時代の一面、一瞬が刻まれている――

 スタンダールさんの『赤と黒』には野心が。

 石井桃子さんの『幻の朱い実』には友情の切なさが。

 キャロルさんの『不思議の国のアリス』には居心地の悪さが。

 そして、M・ミッチェルさんの『風とともに去りぬ』には共感と、
 結末を知っているゆえの哀しみが……。

 そう、結末をもう知っているのに、
 それでも何度も何度も読み返してしまう、のが
 名作の名作たるゆえん、なのでしょうね。

「らいねんもォ、さらいねんもッ!」
「がるるるるぐるるるる!」(←訳:本屋さんに並んでます!)

 柚木さんの語りが一際冴えるのは、
 御本の真ん中あたり、
 犬養道子さんの『お嬢さん放浪記』を取り上げた一篇でしょうか。

 名家に生まれたお嬢様・犬養さんの、
 米国&欧州漫遊記ならぬ放浪記への
 凛々しくもあたたかい共鳴は、
 読み手の私たちを励ましてくれるようで、
 おもわず頬がゆるみます。

「げんきィ、でるのでスゥ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:気持ち上向き!)

 すぐにも本屋さんへ走りたくなる、
 活字マニアさんのための
 読書ガイド兼エッセイ作品、おすすめです!
 皆さま、ぜひ、一読を♪


 
コメント
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