テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 永遠の三角形 ~

2018-02-12 22:15:06 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 かーにばるゥ!」
「がるる!ぐーるるる!」(←訳:虎です!カーニバル!)

 こんにちは、ネーさです。
 いま、世界各国の観光地でカーニバルが盛り上がっています。
 南半球のブラジルでは華やかにパレードも開催されていて、
 ……一方、日本では。

「おおゆきィ?」
「ぐるるー!」(←訳:寒波だー!)

 寒波の中の本日の読書タイムは、
 さあ、雪の世界を想わせるこちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



        ―― ものがたり 白鳥の湖 ――



 著者は ものがたり白鳥の湖編集室の皆さん、イラストはガブリエル・パチェコさん、
 底本となったパチェコさんによる原著作品は2009年に、
 日本語版は2017年12月に発行されました。
 
「あはァ! ばれえェ、でスねッ!」
「がるるるぐるるがる!」(←訳:バレエといえばこれ!)

 ピュートル・チャイコフスキーさん作の“三大バレエ”のうち、
 最も人口に膾炙しているあのメロディは、
 そもそもどのような物語のために創られたのでしょうか。

「げんさくゥ、でスかァ?」
「ぐるる……がーる?」(←訳:それは……えーと?)

 『白鳥の湖』の原作とされるのは
 ドイツの作家ヨハン・カール・アウグスト・ムゼーウスさん著
 『奪われたヴェール』。

 それを脚色したバレエ作品は1876年に完成したものの、
 ボリショイ劇場での初演では好評を得られませんでした。

 あらためて『白鳥の湖』が評価されるようになったのは、
 1895年――初演より20年近くの時が経過していました。

 いまはもう、バレエの代名詞であるとも言える
 『白鳥の湖』ですが……

「これはァ、おおいにィ~びッくりィ!」
「がるるっるぐるぅ!」(←訳:そうだったのかぁ!)

 オデット姫は、
 昼間は白鳥になってしまう呪いをかけられている――

 という点は、
 バレエに詳しくなくても多くの方々が知っていますよね。

「ふァいッ! きほんッでス!」
「ぐるるるがるぅ!」(←訳:基礎知識だよぅ!)

 その呪いは、誰がかけたものなのか。
 なぜ、かけたのか。

 そんな基本中の基本を、
 恥ずかしながら私ネーさ、知りませんでした。
 この御本を読んで、初めて理解しました。
 パチェコさんが描く“白鳥湖譚”とは。
 
   オデット姫が呪いをかけられたのは
   悪魔ロットバルトからの
   求愛を拒んだがため。

   怒り狂ったロットバルトが
   昼間は白鳥の姿に変わるよう
   姫を呪ったことが
   物語の始まり――

 ……そうか、そうだったのか!!!

 『白鳥の湖』は、
 悪魔ロットバルトの失恋話だったのか!!!

「ええッ? そッそうなのッ??」
「がーるぐるがるるる!」(←訳:ネーさ暴走してるよ!)

 あ、はい、そうね、
 私のこの観方、
 うがったもの、というか、偏ってるもの、ではありましょうが。

 悪魔ロットバルトと、
 王子と姫のものがたり。

 ふと、『オペラ座の怪人』を連想してしまいます。

 報われぬ恋と、
 成就する恋の哀切な対比。

 恋する者たちの、永遠の三角形……。

「じゃあァ、ろッとばるとォはァ~?」
「ぐるるるるがるぐる?」(←訳:オペラ座の怪人なの?)

 森に棲む悪魔ロットバルトと
 オペラ座を支配する怪人エリック。

 ええ、もちろん、
 パチェコさんの絵に
 『オペラ座の怪人』の面影を読み取るのは無理が過ぎます。
 ふたつの物語は、まったく別のもの。

 でも、ちょっと気に懸かったなら。

 本屋さんの児童書/絵本のコーナーで、
 この御本を、探してみてくださいね。
 大判の、
 淡いグレーの色合いが美しい表紙の一冊を、
 皆さま、ぜひ。
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする