テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

あの名作が、クラシカルに?

2018-02-26 22:19:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おおッ! あらたなァ、たたかいィ?」
「がるる!ぐるがるるるる!」(←訳:虎です!甲乙つけがたし!)

 こんにちは、ネーさです。
 オリンピックが終わった……と思う間もなく、
 新たな闘いの幕が切って落とされました!
 明治さんが公式に主催する
 《きのこの山・たけのこの里 国民総選挙》――
 貴方はきのこ派ですかたけのこ派ですかどっちも派ですか?
 注目の戦いの詳細については明治さんHPをご覧くださいね。
 さあ、ではここからはアタマを切り替え、
 本日の読書タイムを、どうぞ~♪

  



     ―― シャーロック・ホームズの古典事件帖 ――



 著者はアーサー・コナン・ドイルさん、編者は北原尚彦さん、
 2018年1月に発行されました。
 『The Classical Collections of Sherlock Holmes』と
 英語題名が付されています。

 はい、お久しぶりのフィクション作品の御紹介となりますのは、
 あらら♪ホームズさんのパロディかしら♪
 パスティーシュかしら♪
 ……ん? 違うわね?
 これって、もしかして……本物?

「ふァ?? ほんもののォほーむずさんッ?」
「ぐるがるる!」(←訳:新刊なのに?)

 書店さんに並んだばかりの新刊であるのに、
 その中身は紛れもなく、
 19世紀に発表されたコナン・ドイル鄕によるホームズさん譚……

 それはどういうカラクリかと申しますと。

 この御本に収録されているのは、

 明治から大正期にかけて
 日本語に翻訳もしくは翻案された作品13篇!

「めッ、めいじィ~?」
「がるぐる??」(←訳:大正時代??)

 感性鋭い活字マニアさんには、
 ええ、もうお分かりですわね。

 明治・大正の小説となると、
 文体が違うし、
 漢字が旧字体であったり、
 カタカナの表現方法も現代とは異なっている、と。

「ううッ? なまえもォ~??」
「ぐるるがるるぐっるるぅ?」(←訳:日本の名前になってるぅ?)

   ロンドンは、倫敦。

   ホームズさんは……保科さん?
   いや、ホルムスさん?
 
   警部のグレグスンさんは呉礼具遜さん?

 そう、つまりこの13作品はいずれも
 《明治・大正期に訳出されたホームズさん譚》
 ほぼそのまま、なのです。

 明治や大正の頃の日本人が接した、
 初めてのホームズさん物語は
 こんな文章だった――のねえ。

「むゥ~んッ?
 まじめェ、なんでスけどォ~…」
「がるるるぐるる!」(←訳:なんだか笑える!)

 一つの懐中時計を観察して、
 もとの持ち主と、
 持ち主の性格習慣までをも推理する、という
 ホームズさんファンにはお馴染みの
 有名なシーンがありますが。

 それが、大正時代に訳された
 『肖像の秘密』
 なる作品では……

 な、なんかヘンです。
 笑っちゃいけないんでしょうけど、
 笑えてしまって。

「だいめいもォ、へんッ??」
「ぐるがるぅ?」(←訳:意訳だよぅ?)

 『ボヘミア国王の艶禍』、
 『書簡のゆくえ』……は、まだいいわ。

 『禿頭組合』……って、あの作品のこと?

 『新陰陽博士』に
 『暗殺党の船長』?
 『毒蛇』……は、うん、あれね! あれしかないでしょ! 

「うむッ! これッ、よみはじめるとォ~」
「がるる~!」(←訳:面白い~!)

 ちょっと翻案されたくらいでは揺るがないほど、
 骨格堅牢な原作。

 しかも、編者・北原さんが選んだ
 《古典》訳版は
 どれも名文にして名調子です。

 明治・大正の日本で
 ホームズさんはどういった迎えられ方をしたんだろうか、と
 思い巡らし、空想しながら、
 ぜひ、一読を♪
 
 
コメント
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