テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 紙が生む魔術 ~

2018-03-22 22:15:25 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 さみしィでスよゥ~ッ!」
「がるる!ぐるるるるる~!」(←訳:虎です!終わらないで~!)

 こんにちは、ネーさです。
 『みなさんのおかげでした』が最終回を迎え、
 しょんぼりしております……
 深夜の時間帯でいいわ、復活してー!と
 声を限りに叫びつつ、
 ヤケっぱち気味の本日の読書タイムは、
 さあ、こちらのファンタジー作品を、どうぞ~♪

  



           ―― 紙の魔術師 ――



 著者はチャーリー・N・ホームバーグさん、
 原著は2014年に、日本語版は2017年11月に発行されました。
 英語原題は『THE PAPER MAGICIAN』、
 全3巻で構成されるシリーズ作品の、
 第1巻にあたるのがこの御本です。

「うむゥ! これはァ、たぶんッ!」
「ぐるーるがるる!」(←訳:スチームパンク!)

 蒸気機関が鉄道や船を動かし、
 網の目のように世界をつなげていった時代。
 そんな歴史を背景に描きだされたSFやファンタジー作品を
 《スチームパンク》と称しますが、
 この物語もまた、
 
   鉄道が広く普及し、
   電信や電報が通信の主力である時代

 を舞台にしていますから、
 《スチームパンク》の亜種、と申せましょうか。

 ただ、この御本の中では、
 蒸気機関ではない“或るチカラ”が
 世界に作用を及ぼしています。

「それがァ、まほうゥ??」
「がるぐる~!」(←訳:魔術だよ~!)

 1900年代初めのロンドン。

 魔術は高度な専門技術である――

 と見做されているこの都市の、郊外の小道で、
 ひとりの女の子が呟いています。

 最悪だわ……。

「ふァいッ! わからなくもォないィでス!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:ボロボロだもんね!)

 シオニーちゃん、
 いえ、19歳ですから女の子扱いはいけませんね、
 訂正しましょう。

 シオニー・トウィル嬢は、
 タジス・プラフ魔術師養成学院を主席で卒業したばかり。
 華々しく明るい未来が
 学校で魔術を修めた彼女を待っている、はずでしたのに。

 このボロ屋敷は何?

 紙の魔術??

 わたしは精錬師になりたくて
 学生生活をガンバったのよ!

 からっきし人気のない、
 紙の魔術師にならなきゃならないなんてー!

「ふァ? かみきれェのォ、まじゅつゥ??」
「がるるるる?」(←訳:断れないの?)

 魔術師養成学院の校長先生から、
 シオニーさん、指名されてしまったんです。

 現在、紙の魔術師は人数が少なくて、
 いわば絶滅危惧種。
 優秀な実習生を必要としている分野なのです!と。

「きょひけんッ、なしでスかァ~…」
「ぐるる~!」(←訳:キツい~!)

 シオニーさんのお師匠さんは、
 ロンドン郊外の荒地に暮らす
 エメリー・セイン師。

 ボロボロの、6階建てのお屋敷を前にして、
 シオニーさんは気落ちします。

 もう未来は真っ暗くらよ……。

「あれれッ? でもォ!」
「がるぐるるるるる!」(←訳:一歩進んでみれば!)

 覚悟を決め、
 門をくぐったシオニーさんは目を瞠ります。

 ボロボロのお屋敷が、
 ごく普通の建物に?
 戸口に続く敷石の両脇には
 色とりどりのチューリップ?

「まほうゥでスゥ!」
「ぐるがっるる!」(←訳:魔術だってば!)

 紙の魔術師に弟子入りしたその日から
 シオニーさんが巻き込まれる数々の不思議と、
 サスペンスフルな冒険とは――

 日本のアニメに触発されて創作を志したという
 米国の新進作家さんによるおのファンタジー作品は、
 ディズニーが映画化権を取得したことでも
 話題になっているそうですよ。
 
 ファンタジー好きさん、
 スチームパンク好きな活字マニアさんは、
 おすすめのこの御本、
 次回記事では続巻の御紹介を予定しています。
 お楽しみに~♪
 
 
 
コメント
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