テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

兄を、語る。

2018-03-18 22:45:20 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 さいくるすぽーつもォ、はるゥなのでス!」
「がるる!ぐーるるーるがるるる!」(←訳:虎です!ロードレース本格始動!)

 こんにちは、ネーさです。
 イタリアに春を告げる自転車競技のクラシックレース
 《ミラノ~サンレモ》が3月17日に開催されました。
 優勝したのはイタリア人選手の
 ヴィンチェンツォ・ニーバリさん!
 おめでとう!の拍手をイタリアに送りながら、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



         ―― わが兄 チェーホフ ――



 著者はミハイル・チェーホフさん、
 原著は1933年に、画像の日本語版は2018年2月に発行されました。
 ロシア語の原題は『チェーホフの周辺』という意味だそうですが、
 この『わが兄』のチェーホフさんとは――

「もちろんッ、きッとォ!」
「がるぐる!」(←訳:あの御方!)

 そう、劇作家にして小説家、
 アントーン・パーヴラヴィチ・チェーホフさん、
 英語読みだとアントン・パヴロヴィッチ・チェーホフさん。

 ロシアを代表する文学者さんですね。

「かもめェ!」
「ぐるる!」(←訳:桜の園!)

 かつて演劇部に所属した方々、
 いま演劇部でがんばっている方々は
 アントン・チェーホフさんの作品に
 特別な思い入れをお持ちのことでしょう。

 そしてここにも、
 アントンさんを慕い、偲んでやまぬ
 “ひとり”がいます。

 アントンさんの弟、ミハイルさん!

「なかよしィ~きょうだいッ!」
「がるるぐるるるるぅ~」(←訳:大家族なんだよねぇ~)

 ええ、アントン・チェーホフさんは
 7人きょうだいの3番目に生まれたので、
 兄がふたり、
 弟がふたりで妹がふたり。

 そこに父パーヴェルさんと母エヴゲーニアさん、
 伯母さん、叔父さんとも親しくしていて……と
 チェーホフ家は
 現代日本の少人数家族スタイルとは大違いの
 ワイワイがやがや大家族だったんですね。

 そんな大人数がやがや家族の中、
 兄アントンさんと
 弟ミハイルさんの間には“特別な思い”が
 通っていたのかもしれません。

「おにいちゃんのォ、あとをォおうようにィ~」
「ぐるるがる!」(←訳:文学の道へ!)

 ミハイルさん(愛称はミーシャさん♪)は、
 兄の代役として或る家へ出向いたことをきっかけに
 外国語の勉強を始め、
 英語、フランス語、イタリア語をマスターし、
 翻訳家になり、
 やがては児童文学や、
 兄アントンさんの生涯を綴った伝記作品も著すようになります。

 その顛末を描いた、
 本文の211ページ付近を読むと、
 これはもしや、
 アントンおにいちゃんの作戦だったんじゃないかしら♪
 なんて想像したくなりますが。

「ぷふふッ♪」
「がるるっ♪」

 微笑ましいエピソードもあれば、
 悲しい出来事もあります。

 父の破産。
 兄ニコライさんの急逝。
 劇作家としての足場を固めたぞ!というときに、
 アントンさんの身にも病魔が……。

「おにィちゃんッ!」
「ぐるるぅる!」(←訳:お兄ちゃん!)

 アントン・チェーホフさん(1860~1904)。

 ミハイル・チェーホフさん(1865~1936)。

 “ふたり”のチェーホフさんのものがたりを、
 皆さまも、ぜひ。
 
 
 
コメント
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