テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 息を呑む?法廷ミステリ ―

2018-03-26 22:08:44 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 ふァいッ! あッたかいィ~のでッ!」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!加速です!)

 こんにちは、ネーさです。
 ここ八王子市でも、今日は気温が上昇しました。
 ソメイヨシノのお花も、日当たりの良い場所では
 4分咲き程度になったでしょうか♪
 あまり咲き急がないでおくれよ~と願いつつ、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!
 
  



           ―― コリーニ事件 ――



 著者はフェルナンド・フォン・シーラッハさん、
 原著は2011年に、日本語訳文庫版は2017年12月に発行されました。
 ジャンルとしては、前回記事で御紹介しました
 『万屋大悟のマシュマロな事件簿』と同様、
 ミステリ作品ということになるのですが……

「ふんいきィ、ちがいィまスゥ!」
「がるぐるるるる!」(←訳:法廷ミステリだ!)

 著者シーラッハさんの作品では、
 2016年に刊行された『テロ』(原著は2015年刊)が
 大きな話題となりましたよね。

 被告人は、
 旅客機を撃墜した空軍のパイロット。
 ただし、その旅客機はテロリストに乗っ取られていて、
 7万人の観客で満員になっているスタジアムへ
 突っ込む寸前だったのです。

 7万人の生命を救った彼は、
 旅客機の乗客の生命を見捨てた彼は、
 有罪なのか無罪なのか――

「おそろしィおはなしィ、でしたでス……!」
「ぐるるがるるぐるっる!」(←訳:リアル過ぎて怖かった!)

 シーラッハさんが
 『テロ』に先立って著したこちらの『コリーニ事件』もまた、
 “リアル=現実”感が
 強くたちこめる物語です。

 被害者は、
 ドイツで最も裕福な男のひとり、
 名士であり、勲章も受勲している実業家。

 加害者は、
 イタリアで生まれたけれど
 もう35年もドイツで暮らしている
 “一市民”。

「むゥ? なぞがァ、ないィでスよゥ?」
「がるるぐる?」(←訳:罪状は歴然?)

 そうなんです。
 新米弁護士カスパー・ライネンさんも
 特別な気構えをもって
 弁護を引き受けたわけではありません。

 事件に不明な点はない。
 加害者は罪を認めているし、
 拘留中で逃亡のおそれはない。
 《謎》など、ない。

 しかし、
 正式に弁護人の任に就いたライネンさんは
 裁判が進むにつれ、
 確信を深めてゆくのです。

 ここには《謎》が、
 いや、
 巨大な《闇》がある――

「だんだんッ、せすじがァ~…」
「ぐるるる!」(←訳:寒くなるよ!)

 これ以上、ストーリーを明かすことは許されませんが、
 はたして、
 ライネンさんが法廷で見出す真実とは?

 また、御本巻末の
 『補遺』と題された文章、
 訳者さんのあとがきも収録されています。
 この部分も、どうか読み逃がさないでくださいね。
 社会派ミステリ好きさん、
 それにノンフィクション好きな活字マニアさんも、
 ぜひ!

 
コメント
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