テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― ファンタジックな、レトロ横濱 ―

2020-05-05 23:29:50 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪るるゥ~♪なつゥがァきたァ~♪」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!立夏だよ!)

 こんにちは、、ネーさです。
 今日5月5日は、こどもの日であり、
 立夏でもありますね。
 夏物の衣料をあっちから引っ張り出し、
 こっちから掘り起こしながら、
 はい、その合間には読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  



    ―― シトロン坂を登ったら ――



 著者は白鷺あおい さん、2020年2月に発行されました。
 『大正浪漫 横濱魔女学校1』と副題……というか、
 シリーズ名が付されています。

「ふァ? まじょッ??」
「ぐるっるがる?」(←訳:魔女ってあの?)

 世界的なベストセラーとなった
 《ハリー・ポッター》シリーズのおかげで、
 多くの少年少女の憧れのまととなったのは、
 強大な魔法を揮う魔法使いたちよりも、
 “魔法学校”であった、と言えましょうか。

 自分と同じ魔法の才能を持つ者たちと、
 ともに魔法を習い、
 呪文や魔法の歴史を学び、
 箒に乗って速さを競い合い、
 ときに扱い難いドラゴンの世話をする羽目になったり、
 可愛いフクロウが寮に手紙を届けてくれたり。

 この物語で描かれる《魔女学校》も、、
 魔法の技術を教えてくれる学校なのですが、
 えーと、その、まあやはり、
 魔女学校だぞ!と、
 門に掲げる訳にはゆかなくて。

「かんばんにはァ~…」
「がるるぐる!」(←訳:仏語の学校!)

 横濱女子仏語塾。

 というのが、
 物語の語り手である
 花見堂小春(はなみどう・こはる)さんが通う
 《魔女学校》の表看板です。

 西洋世界で謂う“魔女“――
 『マクベス』に出てくるような怖~い魔女と違って、
 小春さんと同級生さんたちは、
 横浜の山手にある小さな女学校で、
 フランス語や薬草学、
 水晶玉の透視、カード占い、
 ダンス、そして飛行術と、
 明るく品行方正な学生生活を送っています。

「そこへェ、しのびィよるゥ~…」
「ぐるるるる!」(←訳:四つ足の影!)

 化け猫、横濱に出没。

 いえ、調べてみると、
 それは猫ではなくて……豹?

「ひょうゥ?!?」
「がるぐるる?」(←訳:豹が日本に?)

 いくらなんでも、動植物の輸出入に
 頓着しなかった大正時代とはいえ、
 横浜の街路を大型肉食獣が
 のこのこ歩いているとは思えません。
 
 この不自然な出来事が示すものは?
 化け猫ならぬ化け豹は実在するのか?

 小春さんと仲間たちは、
 調査に取り掛かるものの、
 豹なんて、図鑑でしか見たことがないし……?

「どうやッてェ、さがそうゥ??」
「ぐるるるるるがるるる?」(←訳:どこらへんにいるかな?)

 “読む楽しさ”を奪ってしまいたくないので、
 ストーリーの詳細について
 これ以上は記せませんが、
 海老茶の袴、
 結った髪にはリボン、
 足元は洋風の編み上げ靴の女学生さんたちが
 大いに活躍する物語は、
 ファンタジー好きな方々、
 ミステリ好きな活字マニアさんにもおすすめです。

 三部作の第一作にあたるこの御本から、
 はたして第二作は
 どんな展開に?

 次巻を心待ちにしつつ、
 まずは、この『シトロン坂を登ったら』を、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪


 
コメント
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