テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《知りすぎた男》、その孤独 ~

2020-05-19 22:36:37 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あいかわらずゥのォ、もうゥすぴィーどォ!」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!目にも留まらぬ!)

 こんにちは、ネーさです。
 朝から雨模様の今日は、
 ツバメくんたちも元気ハツラツ!
 カメラを構えてみたものの、
 尾ッポの影すら捉えられませんでしたよ。
 プロカメラマンさんって凄いのねと
 あらためて敬服しつつ、
 さあ、本日の読書タイムは、
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  



      ―― 知りすぎた男 ――



 著者はG・K・チェスタトンさん、
 原著は1922年に、画像の日本語版は2020年5月に発行されました。
 英語原題は『THE MAN WHO KNEW TOO MACH』、
 《ブラウン神父》シリーズの著者として
 ミステリ史にその名を刻むチェスタトンさんによる
 異色の連作短編集です。

「むゥ? しんぷさんッ、でてこないィのでスかッ?」
「ぐるがるるる!」(←訳:名物なのにね!)

 この御本で“探偵役“を務める人物は、
 或る意味では
 ブラウン神父さんとよく似ています。

 神父という聖職者でありながら、
 いえ、
 神父さんであるため、でしょうか、
 《善》とは真逆の《悪》の世界――
 社会の暗黒面をよく識り、
 犯罪者の心の機微に通じているブラウン神父さん。

 対して、
 この物語の探偵さんは、
 『知りすぎた男』の題名の通り、
 物事の何もかも、
 《表》も《裏》も知っている
 ホーン・フィッシャーさん。

「ちしきのォ、かたまりィ?」
「がぅるぐるるる?」(←訳:じゃあ推理力は?)

 記者ハロルド・マーチさんが
 ボーン・フィッシャーさんと知り合ったのは、
 とある日の、お昼どき。

 財務大臣とのインタビューだ!
 と張り切るマーチさん、
 目的地へテクテク歩いてゆく途中、
 釣りをしている様子のフィッシャーさんを見つけ、
 和やかにお喋りなどしていると。

「ひゃわわわッ!」
「ぐるる!」(←訳:何あれ!)

 突然の、轟音。

 断崖の上から自動車が飛び出し、
 落下したのです。

「たッ、たいへんッ!」
「がるぐる!」(←訳:事故だあ!)

 事故……
 本当に事故なのでしょうか。

 目の前で起こった惨劇に
 マーチさんは愕然となりましたが、
 フィッシャーさんは慌てず騒がず、
 冷静に観察します。

 惨劇の経緯は、原因は、
 はたしてフィッシャーさんの
 “知るところ“となるのか……?

「こんがらァがッてるゥ!」
「ぐるがるる~」(←訳:複雑だねえ~)

 『標的の顔』
 『消えたプリンス』
 『少年の心』
 『底なしの井戸』
 『塀の穴』
 『釣師のこだわり』
 『一家の馬鹿息子』
 『彫像の復習』 
 
 と、8作品から成る
 《知りすぎた男》の物語の行方は――

「まどわされェまス!」
「がるるぐる!」(←訳:重厚な展開!)

 《ブラウン神父》シリーズとは
 大いに趣向を異にするこの作品では、
 プロ中のプロたるチェスタトンさんの
 腕が冴え渡ります。 

 ミステリ好きさんだけではなく
 サスペンス好きさんにも
 おすすめしたい一冊ですから、
 書店さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 
 
コメント
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