テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 《奇》しき旅の記録 ―

2020-05-08 23:41:44 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふァ~…つつじィ、さきはじめましたでス!」
「がるる!ぐるるのがるる!」((←訳:虎です!派手のピンク!)

 こんにちは、ネーさです。
 フジの花がそろそろピークを越え、
 次に咲き始めたのは
 まぶしい濃ピンク色のツツジのお花ですね。
 本日の読書タイムは、
 派手ハデな色合いのツツジ花よりも
 どーんと目立つ表紙の、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  



         ―― 奇界紀行 ――



 著者は佐藤健寿(さとう・けんじ)さん、
 単行本は2015年に、画像の文庫版は2020年2月に発行されました。
 季刊誌『怪』に連載された記事を中心に、
 著者・佐藤さんが巡った《奇妙な世界》の見聞録を収録する
 フォトエッセイ集です。

「きみょうゥなァ、せかいィ?」
「ぐるるがる!」(←訳:だから奇界!)

 奇妙な世界――奇界。
 それって、例えばどこなのかしら?
 と、まずは本文の手前、
 目次を眺めてみると、
 ほほぉ、これが、《奇界》!

 台湾の貝殻回廊……

 米国の、砂漠にそびえる“神の山”……

 珍奇なものいっぱいの、タイ……

 トルコに残る、人類最古の神殿……

「とッ、とおいィ~でスゥ!」
「がるっ?ぐるるがるるるる!」(←訳:あれっ?ここは遠くないよ!)

 はるか地の果てにあって、
 容易にたどり着けない場所が《奇界》、
 なのだと思ったら、
 あらら、佐藤さんは私たちのすぐ”お隣り”にも
 《奇界》を見出します。

 そこは、都心から電車で2時間弱、
 車で3時間ほどの距離にある
 東京・奥多摩町の。

 日原(にっぱら)鍾乳洞。

 私たち多摩っ子が、
 『檜原(ひのはら)村の洞窟』
 と呼んだりする、
 都下最大の、いえ、関東でも指折りの
 巨大な地下空間です。

「まなつゥでもォ、ひんやりィ~…」
「ぐるるるるがるるぐるる!」(←訳:都心部とは完全に別世界!)

 私ネーさが個人的に、
 これは《行ってみたい奇界》だわ!と、
 目を奪われたのは、
 南米アルゼンチンの山奥にあるという、
 カピージャ・デル・モンテ。

 古くからインディヘナ(先住民)の聖地とされている
 小さな農村は、いわゆる、

 “UFOの村”!

「おおおォッ!」
「がるるぐるがる!」(←訳:それは奇界だね)

 有名なUFO目撃スポット、とは言いながら、
 滞在中、ただの一度も
 UFOを見ることができなかった佐藤さん。

 けれど、村の雰囲気は温かく、
 優しさに満たされていたと回想するのです。

 UFOを見るためではなく、
 あの村の人びとに、
 もう一度会いに行くのだ――

「うんうんッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:ステキな奇界だ!)

 そしてまた、
 水木しげるさんへの憧憬、
 漫画家の諸星大二郎さんとのパプアニューギニア旅日誌、
 澁澤龍彦さんを偲ぶイタリア巡礼記も、
 旅好きな活字マニアさんは
 羨ましくて歯ぎしりしちゃうことでしょう。

 こういう旅、してみたい!と。

「たびィ、いいなァ~…」
「がるるるるるぐる~…」(←訳:行きたいよね旅に~…)

 現状は、
 旅なんてコロナ禍のせいで無理!
 到底ムリ!に見えますが、
 いえいえいえ、
 そんなに悲観する必要はないんじゃないかしら。

 人間って、
 けっこう諦めの悪い生きものですもん、
 旅行の愉しさ&面白さを知ってしまったからには。

「かならずゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:また旅へ!)

 いつか県境を、国境を、
 空を、海を越えて
 旅に出る日を指折り数えつつ、
 摩訶不思議な《奇界》語りを
 皆さま、ぜひ、一読してみてくださいね♪
 

 
  

 
コメント
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