テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 見えない《どこか》へ ~

2020-05-29 23:17:38 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぶるゥーいんぱるすゥ、きましたでス!」
「がるる!ぐるるがるぐる!」(←訳:虎です!最高の飛行日和!)

 こんにちは、ネーさです。
 医療従事者さん&エッセンシャルワーカーさんたちに
 拍手を送りながら拝見したのは、
 YouTubeでLIVE配信される
 ブルーインパルスの超絶技巧……!
 スゴいスゴ過ぎるとただただ感嘆しながら、
 本日の読書タイムは
 こちらも素敵にアクロバティックな御本を、
 さあ、どうぞ~♪

  



     ―― 臨床探偵と消えた脳病変 ――



 著者は浅ノ宮遼(あさのみや・りょう)さん、
 単行本は『片翼の折鶴』の題名で2016年に、
 画像の改題文庫版は2020年2月に発行されました。
 『THE CASE-BOOK OF CLINICAL DETECTIVE』と
 英語題名が付されています。

 前回記事では、神父さんが探偵として活躍する
 チェスタトンさん著『ブラウン神父 呪いの書』を
 御紹介いたしました。
 対して、こちらの作品は――

「どくとるゥ!」
「ぐるるるるがる!」(←訳:お医者さんです!)

 西丸豊(にしまる・ゆたか)さん。

 所属する柳都(りゅうと)医科大学病院の救急科・病棟医長であり、
 他のお医者さんが見抜けなかった病を、
 次々と解き明かしてきた西丸さんの別名は、
 
 《臨床探偵》。

「みためェはァ、ふつうゥ??」
「がるるぐるがぅるるるる!」(←訳:頭脳は普通じゃないんだ!)

 『血の行方』
 『幻覚パズル』
 『消えた脳病変』
 『開眼』
 『片翼(へんよく)の折鶴』

 と、この御本は
 5つの短編作品で構成されていますが、
 まずは収録順に
 『血の行方』から
 ちょこっと覗いてみましょう。

「ふァいッ! ゆくえェふめいィ、なのでスゥ!」
「ぐるるる!」(←訳:血液がね!)

 駅の構内で倒れ、
 病院の救急救命センターに
 搬送されてきた
 或る患者さん。

 踵(かかと)を骨折し、
 入院することになったその患者さんが
 倒れるに到ったそもそもの原因は。

「ひんけつゥ!」
「がるるぐるるるる!」(←訳:鉄分が足りてない!)

 担当医さんは
 患者さんに鉄剤を投与しました。

 それは、鉄分不足を改善させるに
 十分な量であったのに、
 検査結果は依然として
 “貧血“状態のまま。

「んむむッ? なぜェ?」
「ぐるがるるるるるる?」(←訳:なぜ良くならないの?)

 貧血が改善しないのは、
 血がどこかで失われているから?

 どこかって……どこ?

「にしまるゥ~せんせいィ!」
「がるるぐるるー!」(←訳:教えてドクター!)

 バリバリ理系の医学ミステリは、
 ブラウン神父さんのような、
 トリッキーかつ閃きに満ちた推理とは
 まったく正反対……に見えて、
 実は、相通じるものがある?

 表題作品『消えた脳病変』は
 特におすすめです。
 医学ミステリ好きな御方も、
 短編好きな方々も、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 
 
コメント
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