テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ゆらめきのダイアモンド ~

2020-05-07 22:44:50 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こんやはァ、まんげつゥでスよゥ~!」
「がるる!ぐるるーるーる!」(←訳:虎です!フラワームーン!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい! 満月は月ごとに呼び名があって、
 5月の満月は《フラワームーン》!
 ちなみに4月は《ピンクムーン》、
 6月は《ストロベリームーン》…と先ほど知りました。
 月に住む女神さまとウサギさんに
 疫病退散を祈願したあとは、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
      ―― カッティング・エッジ ――



 著者はジェフリー・ディーヴァーさん、
 原著は2018年に、日本語版は2019年10月に発行されました。
 英語原題は『THE CUTTING EDGE』、
 著者ディーヴァーさんの代名詞ともいえる
 《リンカーン・ライム》シリーズの第14作目です。

「まんはッたんにィ~かえッてきましたでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:ここが本拠地!)

 前作『ブラック・スクリーム』での、
 イタリアへ遠征し、
 事件を解決し、
 結婚式も挙げちゃったり、
 忙しいけれども、
 どこか祝祭を想わせる、
 インターミッション的な展開を経て。

 本拠地・ニューヨークに舞台を戻して、
 今作――
 『カッティング・エッジ』の幕が開きます。

「むむゥ! これはァ……ひどすぎるゥでスよゥ!」
「がるるる!」(←訳:悲劇的だ!)

 NY市警からの依頼を受け、
 科学捜査の達人リンカーン・ライムさんが
 捜査に当たることになった事件は、
 怖ろしいものでした。

 ダイアモンドを専門に扱う店に強盗が入り、
 そこに居合わせたお客さん二人と
 店のオーナーさんは……。

「きんきゅうゥてはいィッ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:すぐ捕まえて!)

 ええ、市警もライムさんも
 もちろんそのつもりでいるわ。

 しかし、鑑識作業を進めるにつれ、
 どうやらこれは単なる強盗ではないと
 判明してゆきます。

 犯人は、あまりにも用意周到すぎる……
 それに、盗んでいったモノってヤツが……

「ほんのォ、ちょッぴりィ!」
「がるるぐぅっるる!」(←訳:特別なちょっぴり!)

 店の奥の、金庫の中には
 たくさんのダイアモンドの原石が
 手つかずで残されていたんです。
 
 平凡なクズ石を見棄てて、
 超逸品の石数個を選んで持ち去ったんでしょうか、
 犯人は?
 いったいなぜ、そんなややこしい行動を?

 ライムさんたち捜査陣は、
 怪しみつつも、
 微細な証拠ひとつひとつから
 犯人像を割り出してゆきますが、
 その矢先……!

「またしてもォ、じけんッ?」
「ぐるるるるるがるる!」(←訳:ダイアモンド狙いの!)

 先月中はたびたび
 アーサー・コナン・ドイルさんの
 短編傑作集を御紹介いたしましたが、
 ドイルさんの生み出した名探偵ホームズさんの
 現代に於ける最も正統な後継者は誰かと言えば、
 リンカーン・ライムさんであることに間違いありません。

 この御本の中でも、
 著者・ディーヴァーさん(と探偵ライムさん自身)も
 その点を意識しているのか、
 ちらほらとホームズさんの名前が出て来ます。

 のみならず、
 作品の構成にも
 ドイルさんの作品へのオマージュが
 感じられるような気がしますよ。

 犯人が過去を回想するシーンは、
 ホームズさんのデビュー作品である
 『緋色の研究』さながら、なんですから。

「それじゃあァ、はんにんッ、つかまえましょゥッ!」
「がーるるるるぐるるがるるるる!」(←訳:ホームズさんばりの鮮やかさで!)

 ヴィクトリア朝のロンドンと同じく、
 世界の富が集中する現代のニューヨーク。

 《名探偵》と犯人の熾烈な攻防に 
 終始ハラハラさせられる快作ミステリは、
 ミステリ好きさん&エンタ好きな活字マニアさんに
 激おすすめの一冊です。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 

 
 
コメント
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