「こんにちわッ、テディちゃでス!
じかいィよこくにィ~はらはらァでス!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!気になる謎組織!)
こんにちは、ネーさです。
大河ドラマ『どうする家康』を拝見した後は、
TBS『VIVANT』でまたも手に汗握った日曜の夜でした。
両ドラマとも次回はどうなっちゃうのかと案じつつ、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― うちのちいさな女中さん ① ――
著者は長田佳奈(おさだ・かな)さん、
2021年9月に発行されました。
前回記事に続いて、コミック作品のご紹介となりますよ。
「しゅじんこうゥはァ、じょちゅうゥさんッ!」
「ぐるがるぐる?」(←訳:今はほぼ死語?)
現在では全くと言っていいほど、
耳にすることもなくなった“女中さん”という存在。
けれど、
物語の冒頭には、こうあります――
《女中。
かつては日本女性の一大職業であり、
日常の中にその姿は在りました。
さほど裕福でない家庭でも女中を雇うことは珍しくなく、
彼女たちはとても身近な存在でした》
「そしてェ、きょうもォひとりのォ~」
「がるぐるるるがるる!」(←訳:新人女中さん来たる!)
翻訳家・蓮見令子(はすみ・れいこ)さんは、
依頼された仕事の仕上げにかかりながら、
壁の時計を見上げます。
もうすぐ出版社の人が原稿を取りに来る、
それから、新しく女中さんが来てくれる……って、
ドアをノックする音がしたので出てみれば。
えっ? あららっ??
「おややッ、おわかいィ?」
「ぐるるるがるるるぅ!」(←訳:ていうか若過ぎるぅ!)
22歳、と聞いていたのに、
玄関口に立っているのは、
少女そのままの、ちいさな人影。
ええ、蓮見さんはカン違いをしていたのです。
最終的に、蓮見さんのお家で働くことになっていたのは、
野中ハナさん、14歳。
おっと、14歳だからって見くびっちゃいけませんよ。
掃除、洗濯、炊事、
家財道具の細々としたお手入れなど、
ハナさんはパーフェクトにやってのけます。
「よかッたァ~!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:ひと安心だねえ!)
働き者で、気が利いて、お料理は上手だし、
……でも。
ハナさん、表情に変化がない点が
ちょっと心配なんですけど……?
「はなちゃんッ、わらッてよゥ!」
「がるるぐるるるぅ!」(←訳:笑顔を見たいよぅ!)
蓮見さんとハナさんが暮らす、
昭和9年の日本。
文化住宅と、その和洋折衷な室内、
台所の瓦斯(ガス)に、氷で冷やす冷蔵庫、鏡台など、
著者・長田さんは緻密に、丁寧に、
昭和初期の生活を細部まで描いています。
その細密さに、
そうか、なるほど! !と
何度も驚いたり感心させられました。
発見も、学びも、見る愉しみも味わえる快作を、
マンガ好きな方々はもちろん、
歴史好きな活字マニアさんも、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪