先日、宮崎修二朗翁より電話があり、ネットで調べてほしいと。
奥様のご要望で、奥様のお父上の句集『二百十日』を入手したいのだと。
もちろん奥様は所持しておられたのだが、いつの間にか見当たらなくなってしまってと。
ありました、一件だけ。千葉の古書店に。
6000円もの値段がついていました。が、翁は「買って下さい」と。
で、今日届きました。
柴田笥浦遺稿集『二百十日』、昭和18年刊の私家版です。
わたしの生まれた年だ。戦時中でもあり、紙質は悪いです。が、まあきれいに保存されてた本でした。
扉の句。
わたし恥ずかしながら読めなくて、今日お届けに行って翁に教えて頂きました。
「氣を負ぅて 烈々とあり 秋の人」だそうです。
”月斗“とあります。これは当時有名だった俳人、青木月斗だそうで。http://www.geocities.jp/toushun7/gettopage.htm
これは、宮崎修二朗夫人、信子さんのご尊父、柴田笥浦さんのことを詠んだものでしょう。信子さんのお父上は山陽電鉄社長で、なかなか豪放な人だったようです。
お届けしたら、翁、「どうして千葉なんかに行っていたのかなあ?」と。
やはり、本は、いつどこで誰にどう読まれるかわからないもの、ということである。
そして、奥様に手渡され、奥様はわたしに「父の本をありがとうございました」とわざわざお礼を言いに出て来て下さった。
そして今日も翁のお話を2時間少々お伺いしてきました。翁が戦後お会いされたたくさんの有名文人とのエピソードを。
録音させて頂いたので、その一端をいずれ書きます。