写真:この巨大さ! 運転席に試乗してキビ狩りをする体験もあります。
♪ざわわ、ざわわ、ざわわ~、広いさとうきび畑は ざわわ、ざわわ、ざわわ~ 風が通り抜けるだけ~♪
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「サトウキビは島を守り、島は国土を守る」というキャッチコピーがパンフレットにあるように、南大東島ではサトウキビは主要な農産物です。国土を守る、というのは太平洋の真ん中にあることで日本領海が広くなっているから。
写真:このダンプが一筋で満杯になってしまいます
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今から110年ほど前、この島に最初に住み始めたのは、実は八丈島からの移民、玉置半右衛門さんたち23人でした。断崖絶壁のうえに、ダイトウビロウが生い茂るこの島で、大変な苦労をしながらも開拓を始めたのは、ひとえにサトウキビ産業のためだったのです。開拓者の影響で、島の生活・文化は八丈島と沖縄が渾然一体となった独特の「チャンプルー(混ぜ混ぜ)文化」となっています。<o:p></o:p>
彼らや子孫のさきがけがあり、今では島中にサトウキビ畑が広がっています。小さな島にもかかわらず平坦なので、一区画が大きい大規模農業となっています。キビ狩りは12月~3月までですが今年は遅く、訪れた時は忙しい最中でした。<o:p></o:p>
写真:ふるさと文化センターにある玉置半右衛門さん
案内された広大な畑の、はるか遠くにコンバインのような収穫機と傍らにトラックが見えます。しだいに近づいて来るとそのダイナミックな光景に圧倒されます。ギャア~!でっけぇ~! 小さな人間が頭部に乗り込んで運転する様子に、機動戦士ガンダムを思い出します。(たしか?)
この巨大コンバインは「ハーベスター」(キビ収穫機)といい、一畝狩り終わるといったん外の道に出てスタート地点に引き返し、待機している別のダンプが並走する、という作業を繰り返すのです。大きなダンプは一畝で満杯となり、計量場(かんかん場)へと向います。見るもの・聞くもの本当に珍しいことばかり。<o:p></o:p>
写真:塗装も新しいシュガートレイン
今ではトラック運搬ですが、1984年(昭和58年)までは「シュガートレイン」と呼ぶ蒸気機関車が活躍していました。総長29kmもあった軌道のほんの一部が残っていますが、ガイドさんによると「辛い労働の思い出は早く忘れたい」ということで、軌道はほとんど埋められてしまったのです。<o:p></o:p>
沖縄本島のゆいレールは沖縄地域で初めての鉄道として設置されたのですが、この「シュガートレイン」は近年まで存在した鉄道ということになります。大東島の人々はもちろん、全国の多数のファンを巻き込んで「復活」を期待する声が大きくなっています。
ふるさと文化センターに展示してある2台の車両は、再び動き出すことを静かに待っているようでした。<o:p></o:p>
写真:りっぱな蒸気機関車です
島に人が住み始めてまだ100年あまりという若い歴史、そして海は四方に広がるけれど、「山のない島」でもあります。考えてみると歴史が古く、山ばかりの奈良とは対極的ですね。<o:p></o:p>