写真撮影日:2014/11/19~20
写真上:中之作漁港で整列しているカモメさん
最終日、朝一番にやはり小名浜港と中之作漁港に行き、周辺の海岸線を走ってみました。4年目を迎えようとしているけれど、まだまだ復旧には遠い現実を感じます。福島の場合は地震被害・津波被害に加えて、さらに原発被害や風評被害も大きな影を落としているのは言うまでもありません。
旅に出発する前、2014/11/11付け読売新聞には「『常磐もの』徐々に活気」という記事がありました。「福島沿岸での試験操業の魚種が当初の3種が55種に増え、水揚げも当初の3倍の2tに増えた。放射性セシウムの規制値を超える量の水産物も、震災直後の50%以上から今では1%未満に減少した」という内容でした。そのため「もしや試験操業や、水揚げなどが行われているのでは?」とつい期待したのです。
中之作漁港で作業していた男性は「写真?撮ってもいいよ~。試験操業や水揚げは毎日あるわけではなく、今ここでは魚の加工や箱詰めをしている」と話していました。
さて最後にぜひ「小名浜港湾めぐり」をしてみたいと、いわき・ら・ら・ミュウの左隣から出発する「ふぇにっくす」の朝一番号に乗り込みます。出航するとすぐに「餌付け」が始まり、たくさんのカモメやウミネコたちが群がってきました。
港内では湾岸拡幅工事はもちろん、国際物流の基地となる「人工島」の造成と島への架橋工事などが真っ最中です。海上に並ぶ四角い巨大建造物は経産省が行っている「浮体式洋上発電」の実証研究で、2015/7には同県楢葉町の沖あいに曳航し、上部に風車を設置する計画のようです。
※なお「小名浜港湾めぐり(大人¥1800)」は運行の有無の確認と予約をおすすめします。いわきデイクルーズ 電話:0246-54-7600
この「浮体式洋上発電」だけでなく福島県では、太陽光・間伐材利用のバイオマス・温泉熱利用といった再生エネルギーによる地域振興を目指しています。読売新聞2015/3/12付けの「再生エネ 福島の光になれ」という解説記事では「福島県の電力供給力は震災前全国トップだったが、原発事故後も電力を県外に供給し続けている」と書いています。さらに今後「県内の全エネルギー需要に相当する量を再生エネで生み出す」という目標を掲げているのです。
震災・津波や原発事故は「神はいないのか?」と思ったほどむごくて途方に暮れるものでしたが、その後多くの分野で新しい方向性や考え方、そしてたくさんの人たちの連携やつながりが生まれているのは未来の光と感じます。
ところで「タイムラプス」ってご存知でしょうか? あいよっこも「東北まぐ40号」で初めて知りました。最初に映し出される満天の星空、光る天の川、灯台の光そして真っ暗な闇・・・、なにしろ心が揺さぶられます。なぜか涙が出てきます。こんな星空、住んでいるところでは絶対にないよな・・・。
福島の風景 総集編02 タイムラプス#014 / Scenery of Fukushima,japan Timelapse#014
詳しい説明は「東北まぐ40号」にありますが、簡単に引用させていただきますね。作者はタイムラプスクリエイター 清水大輔さんです。
・ ・・「震災を経て、これから前に向かって歩き出そうとする人たちと、ともに頑張っていきたい」それが作品作りの熱源だと話す清水さん。普段目にする地元の浜や星空が、こんなにキレイだったのかと自分自身でも驚いたといいます。「僕の作品をみて、福島の事をもっと好きになったり、自信を持ってもらえたらいいなと思って撮影しています」・・・
たくさんの人たちが多彩な視点や方法で福島を見つめています。タイムラプスのなかに「福島の桜」も登場しますが、見ているとどうしても桜を見に行きたくなってきました。
「そういえば 2014年福島の秋色はどうだった?」を終ります。みなさまありがとう!
写真:クレーン車やダンプトラックが動き回る海岸線
写真:小名浜港湾めぐりで見かけた光景
写真:漁港で作業する男性
写真:ふぇにっくす乗り場の横にガラス張りの「アクアマリンふくしま(水族館)」残念ながら今回はパス
写真:「浮体式洋上発電」
写真:きらめく川面に鳥たちのシルエット。
小川町三島地区・白鳥飛来地