写真は2019/6/19 「チャツボミゴケ公園」と「野反湖(のぞりこ)」
写真上:「野反湖」周囲10kmのダム湖。300種以上という多くの高山植物が自生し、紅葉も湖面に映える。歩いていると小雨が驟雨にかわり残念ながら退散。
「博士の愛した数式」で「おやっ?」と思ったのは、博士の得意技のひとつ「相手が言った文章を即、逆さまにして返すことができる能力」に対して、家政婦の「私」が「私なんかたった3文字の言葉をひっくり返すのだって間違えます。それはギネス級の得意技です。世界びっくり人間ショーにだって出演できます」と返答したことです。
「ギネス級」と「世界びっくり人間ショー」ってどこかにあったような・・・。そう「韓国天才少年の数奇な半生」(大橋義輝、共栄書房、2011)の冒頭部分に出てきたのです。
内容を概略すると「1967年11月2日、日本中が興奮に包まれていました。フジテレビ『万国びっくりショー』の第一回放送に、韓国の天才少年キム・ウンヨン(金雄鎔)が出演したのです。当時わずか4歳8か月のウンヨンは、東京工大教授・矢野健太郎博士が出題した不定積分の問題を黒板に向かってさらさらと鮮やかに解いてみせ、同時に挑戦した東大生2人より数分早く正解を出した」とあります。本の表紙写真はまさにウンヨン君が黒板に数式を書いている時のものです。
※「万国びっくりショー」フジテレビのバラエティ番組で、第1期1967/11/2~1971/9/27、第2期1976/4/10~1976/9/25に放映された。第1期終了後に「世界びっくりスペシャルショー」や「世紀のびっくりショー」などとタイトルを変えて放映している。
あいよっこはこのTV番組を全く知らなかったのですが、視聴率は35%に及び、放映後には視聴者から「どんな教育をしたのか知りたい」「成長が楽しみだ。今後も追跡して欲しい」などといった電話が殺到し、交換台がパンク状態になったそうです。
こうした評判に女性週刊誌などがこぞって記事・特集を掲載し、アメリカ・タイム誌までも特集の中で「韓国のアインシュタイン」と称したのです。なぜアインシュタインなのかというと、1966/6/12にアメリカの専門家が計測した3才ウンヨンのIQが210(計測不能という注釈付き)とされ、これはギネス記録だったからです。
その時のスタッフの一人だった著者は彼の印象を「当時のウンヨン君は笑顔がなく、いつもポーカーフェイスだった」とし、彼と家族がフジテレビを選んだのは担当プロプロヂューサーが「お土産替わりに神田の古書店巡りを提案した」こともあるようだ、と述懐しています。
ウンヨン君は3才で韓国語、英語、ドイツ語を習得し、「星に聞いてごらん」(微分出版社:なお正確な「び」はπ→糸)という絵本を出版、内容は日記、童詩、作文、手紙、両親の「教育秘話」です。「星」というと、数式博士の「一番星を見つけ出すのが誰より早い」を思い出しますね。
*** 続く ***
写真上下:イワカガミ 有名な高山植物でうつむき加減のピンクが愛らしい。
「岩鏡」名前の由来は光沢のある葉を鏡に見立てたもの
サラサドウダン とても微妙に色が変化しているよ
ミネザクラ? 花も終わりに近く、雨でうなだれているカンジ
ツマトリソウ 一輪だけ発見。葉っぱや花の縁がピンク色などで縁取られてくることに由来する。「妻をめとる」意味ではないよ。最初は「あっ、キヌガサソウ、初めてだ」と思ったけど、良く似ています。