あいよっこの旅ログ:::Part2:::

「女性のひとり旅は冒険の始まり!」

パンダから九寨溝と黄龍へ ⑩

2017-09-14 12:16:16 | 九寨溝・黄龍・都江堰と成都

    写真撮影日」2017/5/29~30

    唐代の詩聖「杜甫」を記念する「杜甫草堂」 どこか京都風だけど、

    塀の下には人がいっぱいですよ。

 

  前々回⑧の「都江堰(とこうえん)の魚嘴(ぎょし):魚のくちばし」写真に、みなさまはなにかお感じでしょうか? あいよっこはやはり水の濁りがとっても気になります。濁りといってもその色合いはグレーが濃く、このままだとやがて「黒」だ!と暗い気持ちになります。なにしろ海や空を通じて世界はつながっているし・・・。

 

  日本でも科学技術・産業の経済活動が先走って「使い捨て文化」が良しとされ、環境が悪化した時期がありました。だけど自ら苦しみの段階を経て、「サスティナブル(sustainable:持続可能な)社会を目指そう)という共通認識や環境システム改善にいたっています。

 

  個人的にはグリーンハウス現象や大量ごみ問題などに「自分ひとりがんばってなんになる?」と苛立たしい気持ちになりましたが、生協活動を通じて「ごみは宝の山」と学んだ時に希望と勇気が出ました!

 

  中国は先進諸国からすべてのものを真似したり、学んだりすることが可能であるにもかかわらず、やはりおカネが優先したようです。それには社会主義と資本主義の中途半端な混同も影響しているのか、「国土を自分たちのものとして大事にしよう」という感覚より、「この一瞬、一時期に自分さえ得すればよい」が優先するのかもしれません。

 

  日本の土地を買いあさるのも「自己所有への強い欲望」があるようです。(一説には有事の時に中国政府が支配しやすくするためとも?)確かに「自分のもの、自分たちのもの」という気持ちが、「自宅前の清掃⇒公園の清掃⇒環境整備」へとつながっていくのでしょう。

 

  どの国においても発達段階があり、中国もひたすら経済発展の追求だけでは立ちいかなくなるステージかもしれません。「中国民衆は政府など信用していない」と言われますが、幹部でさえ「おカネもうけやワイロに執心し、お金はもちろん自身も外国移住を考える」といったニュースを聞きます。為政者自ら国やシステムを否定するなんて、未来があるのかな?と感じますが、まあなにせ人口が多いから、大丈夫なんかな~。

                         

  さて最終日、成都空港発が8:30なので6:30到着を目指して、ホテルを5:30に出発しました。空港へは広い片側4車線道路で、バスは最も右側の車線を走っていました。ところが次第にノロノロ運転となり、ついには停車状態となりました。するとはるかかなたに赤い点滅ランプが見え、どうやら大きな事故が発生しているもよう。

 

  「間に合うかな~」と全員が不安に感じ始めたそのとき、突然大声が!「あつ、タクシーから人が出てきて、ポールを下りている!」「おおっ、ジャッキー・チェンだっ!」「下の道路で手を挙げてタクシーを止めている」などと同乗メンバーの中継実況が始まり、車内は騒然としてきました。若いリュックを背負った男性です。

 

  ええっ、高速道路のポールを滑り降りるなんて、あり? 中国ではフツーなん? さまざまな疑問文がよぎります。どうやらジャッキー・チェンの映画「ポリス・ストーリー」に「電飾ポールを滑り降りる有名なアクション」があり、彼はその結果大けがをしたらしいですが・・・。

 

  そうとう急いでいたのか(ガイドさん「ここではタクシーはつかまりにくいはず」・・・)、あるいは映画を意識しているのか、ジャッキーがよっぽど好きなのか、自分の軽業を見せたいのか、わかりませんが、とにかくびっくり!   

 

  渋滞は事故現場を過ぎると解消して、結局空港には余裕をもって到着しました。外国旅行ってやはり行って見ないとわからないことも多いなあ、行ってわかることもあるんだな、と実感した中国の旅でした。

     ***お付き合いいただいてありがとうございます***

 

     「武候祠(ぶこうし)」の武候は名軍師・諸葛孔明のこと

       上下:古き良き中国の街並みを再現した「錦里」は観光客がいっぱい

       

     伝統楽器のお店では「ひょうたん?の笛」実演が興味深い

    

  早朝、空港への高速道路で事故が発生。若い男性は右下の道路まで滑り降りた!

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パンダから九寨溝と黄龍へ  ⑨

2017-09-06 18:23:21 | 九寨溝・黄龍・都江堰と成都

 

     上:300年の歴史がある四川省の伝統劇「川劇(せんげき)」

       有名な火を噴くパフォーマンス

 

  中国の河川が濁っているのは大量の生活排水や、有害物質なども含まれる工場排水なども原因のひとつでしょう。長江は源流であるチベット地域から、下流の南京地域まで約6300kmもある世界第3位の長さがあり、沿岸の人口数もはんぱね~! みんなが汚い生活用水などを川に流せば、川はいずれ死んでしまいますよね。

 

  中国の産業や経済は大きく発達しましたが、河川汚染、空気汚染が進み生態系が崩れ、環境が破壊してしまったら、人間も生きていけないよ。パンダを大切に思うことも必要ですが、同じくらい環境保全にも力を入れて欲しいです。

 

  そういえばもう10年以上前に北京を観光したとき、山の緑色が鮮やかすぎて変なのでガイドさんに聞くと「樹々がなくなったのでペンキで塗っている」と。うっそお!そんなことをするヒマがあったらもっと根本的な対策してよ~。

 

  さらに最近問題になっているのが「日本の土地やマンションを中国人など外国人が買い占めている」といった報道です。自分の国の川は汚れているし、水はまずい、きれいにするのは面倒だし時間もかかる、なので安直に日本の水源地などを購入しよう!ってこと? (単にそれだけではないとも聞きますが)

 

  中国に関してよく話題になる「中華思想」は「(漢民族の)天子が世界の中心であり、最高の価値を持つ」と周辺のレベルの低い民族たちと区別する考えかたです。でもね、やっていることを見るとフツーに「自分勝手なご都合主義」にしか見えないのです・・・。

                         

  

  女性ガイドさんの日本語はそれほど流暢ではないですが、とても素直で明るい性格と感じました。彼女によると「成都は大きく4地区に分かれ、東には工場が多くその勤め人が住み、西は政府や会社などの中心地区で、南にはお金持ちが多く住み、北に普通の庶民が住んでいる。そのためマンションの値段も地区によって大きく違っている」そうです。

 

  また結婚して幼稚園女児が1人いますが、「2歳~幼稚園までの公立保育所には、親の世代からその地区に住んでいる必要があり、そもそも入りにくい。一方私立だと5000元(約8万円)/月もかかり、それは給料と同額くらい」だとか。「小学校も同様の問題があり、とにかく給料に比べ教育費が高すぎる!」となげいていました。彼女がガイドの仕事をしているときは、夫が主夫しているそうです。

 

  成都ではオプショナルで「チベット民族舞踊ショー」と「変面で有名な川劇(せんげき)」(いずれも5000円足らず)を見て思いのほか楽しめました。正直特にチベット舞踊ショーは「年配の人々が地域の民謡を歌ったり、民族舞踊を踊ったりするのだろう」と思いましたが、舞台装置、照明、音楽は現代風で、、若い人たちのキレッキレダンスパフォーマンスにもびっくり!

 

  川劇の方は一瞬で顔のマスクが変わる「変面」を主とした四川省の伝統劇です。300年の歴史があり中国の「国宝」にも指定されています。この変面と火を噴くパフォーマンスの両方ができる人が少なく保護が必要なのです。

 

    筒から火が噴出そうとしているみたい

    マジックあり、ドラマあり、唄あり踊りありで楽しいです。

    写真OKなのが嬉しい。

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パンダから九寨溝と黄龍へ  ⑧

2017-09-06 17:52:38 | 九寨溝・黄龍・都江堰と成都

       写真撮影日:2017/5/30

    「都江堰」は秦国の地方長官であった李冰(りひょう)が造った。

     上:全景を一望できる観景台から 飾りのカーブがビミョーで面白い

 

  さてさて中国四川省の旅の報告もちょっと間延びしてしまいました。ま、いつものことだけど、急がないと・・・。

 

  5/30:5日目は「成都⇒都江堰⇒成都観光⇒夜:変面などの川劇」です。四川平原の中央に位置する成都は、なんと2300年の歴史を持つ古都です。奈良の古都歴史1300年と比べると、さすがに古いなあ! 有名な「三国志」に登場する英雄・諸葛孔明らの歴史的史跡も多く残ります。

 

  成都は別名「天府の国(てんぷのくに)」と呼ばれ、「神様が豊かな資源や産物を授けたくに」という意味です。また「錦城(きんじょう)」という別名もあります。名産の絹織物「蜀錦(しょっきん)」が2000年前の唐時代から作られていることに由来しています。蜀錦は、縦糸で色を付け、横糸で模様をつけていく工芸品で、多彩な模様と鮮やかな色が特徴です。「錦」の漢字がついた地名はとても多いのです。

 

  成都郊外にはこれも古く、2260年前の戦国時代に造られた「世界遺産・都江堰(とこうえん)」があります。この広大な水利工事跡は、現在でも現役として機能しているそうです。施設により岷江(みんこう)の水を分水して成都平原を潤し、さらに水害防止や水運・灌漑に活用しているのです。それにしても今でも水流は激しいのだから、古代にこうした施設を造るのは大変なことだったでしょう。

 

  この岷江は長江の支流で、水量は多いもののすでにかなり濁っています。というか、上流である九寨溝の入り口周辺の川でさえ、すでに水は濁っていたので、「美しい清流」と言えるのは山頂近辺だけ、ということになりますね~。いったいこれはどうして? 

 

  一般に「粘土質の土・砂粒子が細かいので水が濁りやすい」と言われ、中国の川って、長江も濁っていますが、特に黄河は黄砂で濁りすぎて飲料水に使えないので、もう見放していると聞いたことが・・・。

 

  まあ確かにチベット高原の岩石がむき出しになった急峻な山々を見ると、大量の土砂が流れ込むだろうと推測できますが、単に土砂の細かさだけが原因なのかな? だって土はどこにでもあるわけだし、ナイル川もアマゾン川も中国の川ほどではない、とも聞きますね。

 

  気候が厳しいので高山地域の緑化も難しいのかもしれないですが、寒いところでもそれに適応できる植物の種類はあるでしょう。結局のところ樹木を使うだけ使って、保全するという意識がなかったのかな?

 

            *** 明日に続く ***

 

    都江堰:この人工島「魚のくちばし」で分水している

     川をまたぐ「吊り橋」も満員だとちょっと怖い

      こちらは以前の「吊り橋」ですが、どこか風情が・・・

 

      ガイドさんは、中国北部・中朝国境付近の吉林省出身(たしか・・)。

      仕事で日本にくる機会も多いのだとか。

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