母の自分史『楽天的♪ ふじたばあちゃん~被爆者の救護活動を経て~』<o:p></o:p>
のなかから「戦争と被爆者救護」に関する部分を抜粋して紹介します。
<o:p></o:p>
(∫11) 【初めてのパーマ】
<o:p></o:p>
今思えば面白く楽しいこともありました。終戦後しばらくして、禁止されていたパーマが解禁になりました。嬉しくてさっそく仲間3人とつれだって初めてパーマをかけに行きました。
<o:p></o:p>
美容室ではたくさんのコードを使ってパーマをかけるのですが、あちこちひっぱられて痛いうえに、時間もずいぶんとかかって熱く、「パーマをかけて美しくなるのも大変」と思ったものです。でもパーマでクルクルになった髪の毛には大満足でした。
<o:p></o:p>
この頃「パーマネントに火がついて、あっというまにハゲチャビン♪」というお囃子が流行ったのを思い出します。大ブームになっていたのでしょう。
<o:p></o:p>
(∫12)【初めてのチョコレート】
<o:p></o:p>
さてそのクルクルの頭で美容室を出て歩いていると、あろうことか、外国人兵士から「看護婦さん!(たぶん)」という風に声をかけられました。
<o:p></o:p>
なにしろそれまで外国人兵士に対しては、「鬼畜米英」とか「捕まったら殺される」と教わってきたので、みんな一目散に逃げました。でもくだんの兵士はなにやら大声で「チョコレート」とか叫びながら、なにかを投げ、その場を立ち去りました
。<o:p></o:p>
おそるおそる見ると、確かにチョコレートのようです。ともかく甘いものには飢えていましたし、チョコレートも初めてです。どうするか相談するまでもなく、急いで拾って持ち帰りみんなで食べました。大変美味しかったのは言うまでもありません♪♪♪ <o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
(∫13 略)<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
(∫14) 【実は最初の妊娠が・・・】
<o:p></o:p>
実は長女の前の、最初の妊娠はいわゆる「ぶどうご(※胞状奇胎…胎盤や卵膜を作る絨毛細胞が異常に増殖し、子宮内部がブドウの粒のようになる)」でした。当時は「妊娠中に転んだから」と思っていましたが「ぶどうご」の原因は、「主として卵子の異常により受精時から始まる」とのことで、転んだことは関係ないようです。
<o:p></o:p>
一方で「被爆によって胞状奇胎が増える」という事例報告もあり、私の場合も今思えば放射能被爆の可能性が疑われます。
<o:p></o:p>
当時「放射能被爆で妊娠・出産に異常があるかもしれない」ことを多くの人が話してはいましたが、自分に関しては全くというくらい心配していなかったのです。やはり物事をあまり深く考えない、どこか楽天的な性格なのだろうと思います。幸いにも長女に続き、次女、三女と3回のお産は正常で、本当に神様に感謝しています。
<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
***母の自分史紹介を終ります***<o:p></o:p>