沖縄のグスク(城)といえば?のランキングで見事一位を獲得しているのが「中城城(なかぐすくじょう)」。余談ですが、始めの城は「グスク」で、後ろは「じょう」、と読むのは沖縄の人にとってもややこしくないのでしょうか? なかぐすく、は地名でもあるので、なかぐすく地域にあるお城、ということなのでしょうか?どちらにしても重なり合ってややこしいです。
写真:フリルのように曲線が美しい城壁。
どこに鳥さんがいるでしょう?
首里城と同程度の規模を誇り、城壁・遺構の保存状態が最も良い城址ですが、「ボランティアガイドの案内がとても熱心で、琉球王朝のノロさん(祭祀を司る女性神人)の話が興味深かった」という噂を聞き、これは行かなくてはと思いました。ところが人出が少ないオフシーズン、観光客は少なくのんびり廻れますが、ガイドさんの姿も当然ながら見えませんでした。
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駐車場から登っていくとまず目に入るのが広大な野原。12月というのにたんぽぽなどの草花が咲き、綿毛が風に舞っています。その先に見えるのが前回のブログに掲載した三の郭(くるわ)の写真。このカーブが美しい石積みは「あいかた積み(亀甲乱れ積み)」と呼ばれ、最も高度な石積み技法なのです。城内にはそのほかに2種類の石積み技法があります。最も素朴な「野面(のづら)積み」は、南の郭(聖所)にあり、石をそのまま積み上げた古来からのもので、「布積み(豆腐積み)」は四角に切った石を積み上げる技法で、アーチの門もこれです。
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そのアーチ門は三の郭の右手にあります。入り口と思ってしまいますが、実は裏口で、駐車場からの道は城の裏門から入ることになります。この裏口と反対側の西側にある正門をつないだ部分が通路の役目ともなり、通路の南側(左手)に「三の郭→二の郭→一の郭→南の郭」と並んでいる構造です。
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写真:。ペリー提督とその一行の探検隊が1853年に来島し、現地調査を行いました。中城城跡について「要塞の資材は石灰岩であり、その石造建築は非常に注意深く刻まれ、つなぎ合わされ、漆喰もセメントも何も用いていない」と賞賛、このアーチ門は「エジプト式」と言ったそうです。
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門を入ると「夫婦井戸(ミートウガー)」と呼ばれる2つの井戸があります。お城の内部に水を確保しているのは大変珍しいそうで、戦に備えて万全を期したのでしょうか。<o:p></o:p>
これら裏門に近い場所と、二の郭より正門に近いところでは城壁の構造などが違っているようで、増築されたと考えられます。後からの増築部分を作ったのが名築城家の護佐丸(ごさまる)と言われ、彼は座喜味城を作ったことでも知られています。<o:p></o:p>
あいよっこが最初にグスクを見たのが読谷にあるこの座喜味城。アーチの入り口の西洋風な雰囲気と、城壁の「まるで女性のスカートのフリル」のような曲線に驚きと感動を覚えたことを思い出しました。今でも自分の中のナンバーワンは座喜味城なのです。同じ人の手によるものと知りな~~るほど!
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さて中城城の城内は修復作業などで大型クレーン車、ショベルカー、ダンプなどがうなりをあげていました。それもあって、さらに先の正門近くの「南の郭」に、聖地である御嶽(うたき:拝所)があることを見逃してしまいました。残念!ざんねん!もっと良くパンフレットを読むべきだったあ。
<o:p>写真:アーチ型に切り取った内部の景色が一枚の絵のように美しく、石つくり門の陰影が縁を装飾しているようです。</o:p>