第 4635回で太陽光発電とピーク電力の相性の良さを取り上げましたが、ドイツでそれ を見事に裏付ける実績が出たようです。
時事 ドットコムより 2012/05/28
【ベルリン26日ロイター時事】ドイツの再生可能エネルギー関連シンクタンク、国際経済フォーラム再生可能エネ ルギー(IWR、本部ミュンスター)の ディレクター、ノルベルト・アルノホ所長は26日、同国の太陽光発電量が25、26日の昼ごろの時間帯に過去最 高の22ギガワット時(GWH)を記録したことを明らかにした。
同国政府は昨年、福島原子力発電所の事故を受けて、8基の原発を直ちに閉鎖し、残りの9基を2022年までに閉 じることとし、その分風力や太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギーで発電することを決めた。
アルノホ氏は「過去にこれほどの太陽光発電をした国はない」とし、「この数週間、何回か20GWHに近づくこと はあったが、25、26日に初めてこの水準を上回った」と指摘した。同氏は、先進工業国の一つが平日(25日) に電力需要の3分の1、工場やオフィスが休みの土曜(26日)には半分近くを太陽光発電で賄えることが示された と強調した。1年前の太陽光発電量は14GWHだった。
政府の再生可能エネルギー促進政策もあって、ドイツは世界でもトップの同エネルギー利用国となり、年間の総電力 需要の約20%は同エネルギーから得ている。また、同国で設置された太陽光発電設備の能力は諸外国のほぼ全てを 合わせたほどに達しており、太陽光発電は年間需要量の約4%を占めている。同国は温室効果ガス排出量を2020 年までに、1990年比で40%減らすことを目標にしている。
ドイツの太陽光発電装置の能力は11年に7.5GW増え、さらに12年第1四半期(1~3月)に1.8GW拡大 して、合計26GWとなった。
これは太陽光発電への強烈な追い風になりますね。26GWの設備で最大発電量が22GWとなると能力の85%くら いを発電したと言うことですからその効率の良さに驚きます。ドイツ全土で同時にこんなに発電したと言うことでしょう か。それにしても年間需要の4%は少ないようですが、ピーク発電の効果が見事に証明されましたね。
ここまで来るとピーク電力のための原発も不要といっても良さそうです。今や破綻したシステムである FIT(フィードインタリフ)も大きな効果があったと言えそうです。尤も、今更それと同じ事をしようとする日本 こそ狂っているとしか言い用がありません。とは言いながらも採用が遅れて設置の進んでない日本ではまだまだ定額 買取制度が必要なことは間違いないでしょう。ただその条件が問題です。42円の20年なんてとんでもない数字 じゃなくせめて年数だけでも10年とか15年にとどめるべきでしょう。
それにしてもこの発電量は凄い!