ちょっ と古い記事ですが余りにも衝撃的な記事だったので遅ればせながら取り上げます。
我が坂出も面している瀬戸内海の漁獲量が減ったと言うのですが、その理由が余りにも想像外のこ とだったので驚きました。
YOMIURI ONLINEよ り 2012年8月26日
水がきれいになり過ぎて、魚が 住めない?――。
瀬戸内海で魚介 類の漁獲量が減り続け、漁師らから、こんな声が上がっている。水質改善が進んだことで、植物プランクト ンを育てる窒素やリンなどの「栄養塩」が減り過ぎたことが一因と分析する研究者もおり、国も実態解明に 乗り出した。
「もうけがな い」
関西空港に近い 泉佐野漁港(大阪府泉佐野市)。瀬戸内海での8時間の底引き漁から戻ってきた男性(38)は、浮かない 表情を見せた。この日はカレイやヒラメ、エビなどが取れたが、数はどれも少ない。
「10年前は1 日に7~8万円分の水揚げがあったのに、今は2万円程度。船の燃料代も高いし、ほとんどもうけはない」
農林水産統計な どによると、瀬戸内海の漁獲量は1982年の46万トンをピークに減少し、2010年は17万5000 トンまで落ち込んだ。80年代に比べ、カレイ類が2分の1、イカナゴは6分の1に。アサリ類は約190 分の1に激減した。…中略
窒素量6割減
漁獲量減少の原 因として、漁師が口をそろえるのは「海がきれいになり過ぎて、魚がいなくなった」ということ。兵庫県立 農林水産技術総合センター・水産技術センターの反田実所長は「海水中の栄養塩が減り、海が『貧栄養化』 してきたためでは」と指摘する。
瀬戸内海では高 度成長期、工場排水や生活排水に含まれる栄養塩で富栄養化が進み、赤潮の被害が頻発。このため国は、 79年施行の「瀬戸内海環境保全特別措置法」(瀬戸内法)で工場排水制限や下水道整備などを進め、01 年には窒素やリンの総量規制も定めた。
その結果、83 年に1リットルあたり0・34ミリ・グラムだった海中の窒素量は、昨年は0・14ミリ・グラムにまで減 少。海水の透明度も大阪湾で3メートルから6メートルに広がった。
因果関係は明確 ではないが、漁獲量の減少は水質改善と並行して進む。
窒素などを吸収 して育つ養殖ノリが、栄養塩不足で黄色く変色する「色落ち」が兵庫、岡山、大分県などで頻発。大阪府南 部では、魚のエサ場や産卵場になる海藻類が生えず、岩場がむき出しになる「磯焼け」もみられる。
この逆に海が汚染されて漁獲 量が減ったと言われて、そうなんだろうなぁと納得してきたのが今まででした。
もうひとつは、山に手が入らなくなって山の栄養が海に流れ込まなくなって漁獲量が減ったという 話題もありました。代表的なのが襟裳岬の植林で昆布がよみがえったなんてのもありました。
ところが、今回のは全く逆です。汚染を防ぐために皆が努力して海がきれいになったら魚が少なく なったですから驚くしかありません。というか、それがほんとうであれば、今の少ないのが本来の姿と とっても良いのかも知れません。つまりは、漁師さんもこの漁獲量に合わせて生きていくしかないのか もしれません。
それにしても、こんな話を聞くと、地球温暖化だって本当はどちらが正しのか分りません。一生懸 命太陽光発電を増やしてCO2が減ったら地球がおかしくなったなんてことだってあるかもしれませ ん。所詮、人間のやることなんて地球から考えたら誤差の内かも。
複雑ですね!