ソフトバンクのアーム社をエヌビデアへの売却の思惑は崩れ去ったようです。孫はどうなるのでしょうか。
Chinaと同じように何とか生き残ろうと足掻いているのでしょう。そんな中、又しても副社長の辞任の話が出ているようです。孫さんどうするのでしょうか。
宮崎さんがそんなアメリカの変化を詳しく取り上げてくれています。一世を風靡したグーグルなどへもその変化は起きているようです。
トランプさんに対する対応で完全に正体を表した奴等を今や信じている人は激減しているのじゃないでしょう。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和四年(2022)1月28日(金曜日)
通巻7200号
エヌビデアはなぜアーム社買収に待ったをかけられたのか
フェイスブックもアマゾンも巨額の罰金は「独占禁止法」違反
米国は「米国競争法2022」を可決し、ハイテク産業の育成に努めるとしながら、他方ではビッグテックを片っ端から独占禁 止法に抵触するとして提訴し、規制強化している。
明らかに矛盾している。アメリカの整合性のなさは政権vs議会vs実業界vsアカデミズムと、つねに政策立案と遂行面でアン ビバレンツだ。
1月26日、ソフトバンクは年初来最低の株価となった。51%強の下落である。
世界中に強気の投資を続けてきたソフトバンクグループ(以下、SBGと略する)だが、中国の馬雲率いたアリババの「大後 退」以後は、まったく冴えない業績に転落した。
株価下落の主因は、エヌビデアのアーム社買収が「独禁法」に抵触するとして白紙に戻されかねないからだ。
アームは、世界一の半導体設計で知られ、とりわけ自動車運転の半導体開発、CPU設計などがアーム社の寡占状態である。
SBGが将来を見越し、2020年九月に3兆円で買収していた。SBGは、この株式を4兆5500億円で「売り抜ける」予定 だった。
この巨大買収に待ったをかけたのは、2021年8月に、英国で「競争市場庁」が「競争上に深刻な懸念があり」として調査す るとし、11月には追加調査を行うとした。アーム社は英国籍である。
ついでFTC(米連邦取引委員会)で、21年12月に買収差し止めを提訴、ひきつづきEU委員会が「独禁法に照らし、22 年三月まで調査続行」とした。要点は「エヌビデア+アーム連合が誕生すると、半導体業界で強すぎることになる」からだ。
株価急落に見舞われたエヌビデアは、買収撤退を検討するとした。
マイクロソフトは、ゲームソフト大手の「アクティビジョン・ブリザード」の買収を発表したが、これもまた米司法省が M&A(企業合併・買収)審査を厳格化する方向にあるため、先行きどうなるか不明である。
▼[GAFAM]もネットフリックスなど「巣ごもり」もピークは打った
テレワーク時代は終わりを告げているのではないか。
自宅にいてPCと向き合い、ネット回線で仕事をこなす方が能率が上がるとされた。ところが、人と人との結び付きがないため 気楽に住居移動が始まる(シリコンバレーからテキサスへの移住が顕著だった)。移住できない人はペットを飼ったり。
「ズーム」は明らかに頭打ち状態となった。
また寝ころんでテレビを見たりするから外食を避けるのでウーバーを活用、寝ころぶソファ等が必要となりニトリ株価が急騰 し、ネットフリックスは会員数を激増させた。インスタント食品も売り上げを伸ばし、コカコーラはノンアルコール・ビールに挑 戦するそうな。
GAFAM全盛もピークを打ったのではないか。
最大の理由はバイデン政権がビッグテックの情報、データ・サービスの寡占状況を敵視するようになったからだ。
グーグルは司法省に提訴され100億ドルの罰金、グーグルの広告事業との関連で、プライバシーの保護に欠陥が在りと指摘さ れてきた。またグーグルが利用者の位置情報を不正に収拾したとしてテキサス州、アリゾナ州、ワシントン特別市などの司法長官 から提訴されている。これは「消費者保護法」違反という。
アップルも半導体不足で業績が下落傾向にある。グーグルやアップルなど、閲覧者の行動履歴を追跡し、広告が流されるが、こ の「サードパーティクッキー」が規制される。
ついでフェイスブック(最近「メタ」と社名を改称)も巨額の罰金。独禁法とプライバシー保護が法源である。フェイスブック はアプリのダウンロード数で、三位に甘んじた(一位はTIKTOK、二位がインスタグラムだった)。フェイスブックのデジタ ル通貨は立ち消えとなった。
アマゾンもオンラインの在り方に疑義を挟まれ、提訴される方向という。マイクロソフトは嘗て司法省とのいざこざに懲りて、 慎重な対応を取ってきた。それでもマイクロソフト株は年初来12%安。ネットフリックスは35・6%安。
中国はもっと悲惨かも知れない。
独裁政権の中国共産党の意向に逆らってデジタル銀行やら、個人の情報データを独裁政権以外の民間企業があつめ、それを活用 するのは許さないのだ。
アリババ、テンセント、バイドゥ、ハイセンス(所謂「BATH」)は経営がふらつき、また「中国テック五傑」と言われるの はアリババ、テンセントに加えて美団、京東集団、ピンドゥオドゥオ)が株価を80-60%も下落させている。
▼NEXT GAFAMとは?
ならば次の産業は何か? EV、メタバースは誰もが指摘する。
基本的にはAI、ロボット、量子、医療だろうが、夢ばかりが先行し、突発的な株価暴騰(典型はテスラ)などが見られる。
たが近視眼的ではなく、長期展望に立てば、産業の根幹は半導体、AI、ロボット、素材、そして鉄鋼や機械であり、AI技術開 発がもっと進めば、医薬品や新製品が出てくるだろう。
それが具体的には何なのか? 予測は現時点でたいそう難しくなった。
本当に世界はどうなるのか。そんな中、日本の再浮上を望みますが、あの優柔不断内閣ではどうにもならないでしょう。
自民党が、高市さんで参院選を戦う覚悟を決めるかどうかで日本の未来にも希望が見えてくるのじゃないでしょうか。まず、そんな度胸は無いでしょう。