トランプさんは暗号通貨を基軸通貨にするつもりのようです。大丈夫なのでしょうか。トランプさんにはマネーゲームとの戦いを期待していたのですが、これでは心配です。
宮崎さんが取り上げてくれています。暗号通貨がマネーゲーム中止の武器になるとは思えないのですが、どうなんでしょう。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和六年(2024年)11月29日(金曜日)
通巻第8527号
トランプ旋風、つぎの衝撃は暗号通貨の国家備蓄構想
ドル基軸通貨体制との兼ね合いをどうするのか
SEC(米国証券取引委員会)のゲイリー・ゲンスラー委員長が1月に退任する。これによって米国の暗号通貨規制の状況が一変する可能性がある。
トランプがビットコイン対策を変更、大きく変節した。トランプはビットコインを金備蓄と同様な国家準備金に加えるとし、SECと対照的な見解を持つに至った。
SECはゲンスラー委員長のもとで、仮想通貨業界をむしろネズミ講の一種として取り締まってきた。またテロリスト、過激派の資金移動、犯罪集団のマネロン、中国の大金持ちたちはビットコインで海外へ資産を移動させるなど、暗号通貨の裏側世界が警戒されてきた。
ということはドル基軸体制を代替する通貨などは思考の範疇になかった。
2023年にニューヨーク市で開かれたパイパー・サンドラー・グローバル取引所・フィンテック会議で、「暗号通貨ブームはペテン師、詐欺師、詐欺師、ポ ンジースキームに溢れている。暗号証券市場は、国民が資本市場に対して築き上げた信頼を損なうべきではない。暗号市場は投資家に損害を与えるべきではな い」とゲンスラーSEC委員長は語った。
ところがドナルド・トランプ次期大統領は、連邦政府の暗号通貨政策の変更を宣言した。
彼は「国家ビットコイン準備金」を設立し、大統領の暗号通貨諮問委員会を設置し、残りのビットコインがすべて国内で採掘されるようにしたい」と言い出したのだ。
「我々の政府は、ビットコイン利用者なら誰もが心得ている『ビットコインを決して売ってはならない』という基本ルールをあまりにも長い間破ってきた」とト ランプ大統領は、暗号通貨年次大会の基調講演で語り始め、関係者は驚きの色を隠せなかった。つまり暗号通貨を「詐欺であり米ドルへの脅威だ」としていたト ランプの認識、百八十度転換である。
2019年のソーシャルメディアの投稿でトランプは「ビットコインや他の仮想通貨のファンはお金ではなく、その価値は非常に不安定で根拠がない。規制されていない暗号資産は、麻薬取引やその他の違法行為を含む違法行為を助長する可能性がある」などと警戒的だったのだから。
SECはトランプ発言のあとも、「投資顧問、証券会社、デジタル資産の販売や取引の促進を行うその他の金融仲介業者を含む暗号通貨セクターの監視を継続する」と表明した。常識として、SECはビットコインなどを『商品』として扱ってきた。
トランプ当選以降、金価格と並んでビットコインは史上最高値を連日更新した。
次期財務長官のスコット・ベッセントやハワード・ラトニック商務長官などは「暗号通貨推進派」である。
しかしながら大問題が残る。
ドル基軸通貨体制との兼ね合いをどうするのか? おそらく、トランプの次の四年間で、この問題は解決しないだろう。
ここまで世界を劣化させたマネーゲームを退治するのは流石のトランプにも無理なのでしょうか。
人類がマネーゲームを終わらせるのは不可能なのでしょうか。困ったものです。
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