宮崎さんが何時もとは毛色の違った話題を書いてくれています。何となくトランプさの終焉を思わせるものがあります。
トランプさんが失敗したカジノ&ホテルの解体の話題です。普通の人なら意気消沈で気力も喪失そうな倒産劇の時にトランプさんは大統領選挙に立候補したのだそうです。
それだけでも、並の人とは違うようです。やはり、自分のことよりアメリカ、ひいては世界を救うという大きな志を持たれていたのじゃないでしょうか。
やはり、もう一度帰ってきて貰いたいものです。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和三年(2021)2月18日(木曜日) 通巻第6803号
博打人生、多くの夢が消えて
トランプ・カジノ&ホテル(アトランティック・シティ)解体爆破
トランプ・カジノ&ホテル(アトランティック・シティ)が解体された。
2021年2月17日、全米から百台以上のカメラが集まって特設スタンドで待機した。アトランティック・シティの市民らは、広場にあつまっていた。
なぜなら2014年まで、トランプ(当時「不動産王」と言われていたっけ)が所有していたカジノであり、その不動産王が2016年にアメリカ大統領となったのだから、たとえ当該ホテルが破産後のなれの果てであったとしても、絶好のマスコミ種だ。
解体方式は計算式に基づいてのダイナマイト仕掛け、アメリカ特有の爆破によるもので、巨大カジノビルは一分ほどで綺麗に「始末」され。残骸が散らばって、カジノの夢は終わった。
同日、「保守のイコン」と言われたラッシュ・リンボー(ラジオトークショーの司会者)が癌で急逝した。享年70歳。
トランプ前大統領が沈黙を破り、リンボーの死を悼んだ。
リンボーは2016年からトランプ支援のコメントを発表し、2020年の選挙でも保守の主張を訴え続けて、トランプ選挙を支援した。トランプも数回出演し、或る番組では2時間のトークショーとなった。全米の保守層にとっては、人気が高い番組だったという。2020年には「自由勲章」を授与された。
トランプを支援していたマードックのFOXテレビは、選挙終盤で混乱し、保守系の司会者を急遽降板させるなど、保守系のメディアも混戦を極めた。
マードックは、ところで、史上最高値と言われる豪邸(160億円)を購入したことで、別の話題をよんだ。
トランプ前大統領は1月20日にフロリダに去ってから、公共の場に現れず、一切のコメントを避けてきたが、リンボー追悼番組に久しぶりに登場し、「ラッシュ・リンボー氏は『伝説の司会者だった』と追悼のコメントを披露した。
さて筆者が、NYからグレイハウンダのバスに乗ってアトランティック・シティへ言ったのは五年前である。
街は想像していたより淋しい光景が広がり、目抜き通りの通行人と言えばホームレスか、犬の散歩の老夫婦とか。バスターミナルの商店街は半分が閉店していた。若い人がほとんどいない街という印象をうけた。2016年4月の話である。
通行人に「トランプのカジノホテルは何処ですか?」と聞いても、「知らない」と言われたのは衝撃だった。じつは、この時点で既にトランプのカジノホテルは閉鎖していた。会社更生法を申請していたのだ。
ようやく探し当てたトランプ・カジノ&リゾートはけばけばしいネオンの残滓、手入れされていない前庭、後方の高層ビルは幽霊屋敷。ラスベガスの繁栄と比べると、新興カジノ都市を狙っていたアトランティック・シティのカジノビジネスは砂漠の蜃気楼に終わっていた。
撮影を終えて、ランチを取ろうとレストランを探したが、結局、バスターミナルのマックしかなかった。食べ始めて珈琲を飲んだところにNY行きのバスがきた。
こうした経験を何度も乗り越えて来られたからこそ、常人には無いアイデアや決断力を育てて来たのかもしれません。
それとも逆にアメリカを救いたいという気持ちが難局も乗り越えさせたのかも。
いずれにしても、並の人じゃない!
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