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あした

2007年01月15日 12時24分33秒 | 邦画1991~2000年

 ◇あした(1995年 日本 141分)

 監督・撮影台本/大林宣彦 音楽/學草太郎 岩代太郎

 出演/高橋かおり 風吹ジュン 原田知世 宝生舞 植木等 岸部一徳 多岐川裕美

 

 ◇尾道呼子浜

 っていう浜は、現実には存在しないらしい。

 尾道にはたった一度だけ行ったことがある。けど、尾道ラーメンも食べなかったし、大林組のロケ地を訪問してもいない。列車で着いたあと、バスに乗り込んで、しまなみ海道だったかをめざした。

 筋立てはなんとなく洋画っぽい展開で、なんでかわからないけど『コクーン』をおもいだした。

 人は、知り合いの死を悲しむが、死んでいった人もまた、親しい人との別れを悲しむ。もう一度だけ逢いたいとおもうのは、人として共通のおもいだ。沈没事故で死んだ者はやはり死んでも船に乗ってて、その船で愛する人に「さよなら」をいうために帰ってくるんだけど、かれらに共通していることは、海から上がってこられず、直接、声を聞かせて呼び出させることだ。

 なんか理由があるんだろうけど、それは明確にされない。ふつう、おばけというのは、地縛霊にでもならないかぎりかなり自由で、家族のところへひとりで帰ってきたりするんだけど、かれらの場合、かなり現実味を帯びてる。

 おそらく、まだ霊界に上る前の段階で、あの世とこの世の間にある世界で、昇天の支度をしているときだったんだろう。だから、まだ人間としての感覚が残ってて、ともかく、自分たちが死んだ海で逢わないといけないっていう想いが強かったんだろう。

 そのあたりのことは、単に想像するだけだけど、ぼくはほんとに映画の前知識を仕入れないものだから、高橋かおりが旅する青春映画かとおもって観ていたら、そうじゃなかったっていうお粗末な話だ。

 でも、こういう主題の場合、お風呂の場面とかは、いまだに要らないんじゃないかとおもってるんだけど、ちがうかな~?

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